ワット・プラケオ(タイ語:วัดพระแก้ว、英語:Wat Phra Kaew or Wat Phra Kaeo、英語圏の人には「Temple of the Emerald Buddha(エメラルド・ブッダ寺院)」として知られる)は、タイの首都バンコクの中心部(プラナコーン区)にある仏教寺院です。正式にはワット・プラ・シー・ラッタナ・サーサダーラーム(Wat Phra Si Rattana Satsadaram)として知られ、タイで最も神聖な仏教寺院とされています。この寺院群は、バンコクの歴史的中心部にある王宮の境内にあるいくつかの建物で構成されています。この寺院には、国の最高仏として崇敬されているエメラルド仏の像が安置されています。
この寺院の建設は、チャクリー王朝の初代国王ラーマ1世の命令により 1783年に始まりました。それ以来、歴代の王は、その治世中に、宗教的功徳を積み、王朝を讃える手段として、寺院の増築、修復、装飾に自ら関わってきました。毎年、寺院内では国王自らが主宰し、政府関係者が出席する重要な国家儀式や王室儀式が数多く執り行われます。このため、ワット・プラケオはタイ王国の主要な礼拝所であり、王室と国の国家寺院となっています。長年にわたり、歴代の王は寺院に神聖で貴重な品々を寄贈し、寺院は宝物庫でもありました。
寺院群は、タイの宗教建築の伝統的な原則を守りながらも、さまざまなタイ建築様式で建てられた、特定の宗教目的のためのさまざまな建物で構成されています。主な建物としては、エメラルド仏を安置する本堂、プラ・シーラッタナチェーディー(Phra Sri Rattana Chedi、金色の仏舎利塔)、プラ・モンドップ(Phra Mondop、三蔵経を納める経堂)、プラサート・プラテープ・ピドーン(ロイヤルパンテオン、ラーマ1世から8世までの彫像を安置)、ホー・プラ・ナク(Ho Phra Nak)、プラ・ビハーン・ヨッド(Phra Sewetakutakarawihan Yod)、プラ・モンティエン・タム堂(Phra Monthian Tham Hall)などがあります。