トロカデロ(フランス語:Trocadéro, Paris)は、フランスの首都パリ中心部 16区にある歴史的地区で、セーヌ川を挟んでエッフェル塔の向かい側に位置するエリアです。「トロカデロ」は 1878年に建てられたかつて存在した「トロカデロ宮殿(Trocadéro Palace)」の名前でもありますが、1937年に「シャイヨー宮(Palais de Chaillot)」の建設のために取り壊されました。トロカデロの丘は、かつての村であるシャイヨーの丘です。
この場所は「トロカデロの戦い(Battle of Trocadero)」にちなんで名付けられました。トロカデロの戦いは、南スペインの要塞化されたトロカデロ島を、1823年8月31日、後のフランス国王シャルル10世の息子であるアングレーム公爵率いるフランス軍によって落城させ、占領した戦いです。フランスは、自由主義者の反乱によって統治が争われていたスペイン・ブルボン家のスペイン国王フェルナンド7世を支援するために介入し、スペインへ遠征しました。この戦いの勝利により、フランス軍はスペインの自由主義勢力を打ち破り、フェルナンドは王位に復帰し、絶対的な統治権を回復しました。
フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアン(François-René de Chateaubriand、1768年9月4日生~1848年7月4日没、フランス復古王政期の政治家であり作家、トロカデロの戦いのあった時期の外務大臣)は「スペイン全土を一気に横断し、ボナパルトが失敗した場所で成功し、あの奇想天外な男の軍隊が逆境に立たされた同じ地で勝利し、彼が 7年かかってできなかったことを 6か月で成し遂げたことは、本当に驚異的だった!」と語った。
現在、この広場は正式には「トロカデロ広場と11月11日(第一次世界大戦休戦記念日)、Place du Trocadéro et du 11 Novembre」と名付けられていますが、通常は単に「トロカデロ広場(Place du Trocadéro)」と呼ばれています。
トロカデロ地図(Map of Trocadéro, Paris, Île-de-France, France)
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トロカデロ地区と周辺の観光名所としては、トロカデロ・エ・デュ 11月11日広場(Pl. du Trocadéro et du 11 Novembre、通称トロカデロと呼ばれるロータリーになっている広場、凱旋門のあるシャルル・ド・ゴール広場から南西へ 1.3キロメートル)、トロカデロ庭園(Jardins du Trocadéro)、シャイヨー宮(Palais de Chaillot)、シテ建築遺産博物館(Cité de l'architecture et du patrimoine)、国立海軍博物館(Musée national de la Marine de Paris)、人類博物館(Musée de l'Homme)、シャイヨー国立劇場(Chaillot - Théâtre national de la Danse)、パリ水族館(Aquarium de Paris)、ゾンフォン庭園(Jardin d'enfants)、カモアン通り(Av. de Camoens)、クレマンソー美術館(Clemenceau Museum)、パッシー墓地(Cimetière de Passy - Paris 16)、ギメ東洋美術館(Musée national des arts asiatiques - Guimet)、ガリエラ美術館(Palais Galliera)、パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)、パリ市立近代美術館(Musée d'Art Moderne de Paris)、イエナ橋(Pont d'Iéna、トロカデロ地区とエッフェル塔のあるシャン・ド・マルス公園を結ぶ橋)などがあります。
トロカデロのホテルとしては、シャングリ・ラ ホテル パリ(Shangri-La Paris)、ラ・クレフ・トゥール・エッフェル・パリ・バイ・ザ・クレスト・コレクション(La Clef Tour Eiffel Paris by The Crest Collection)、ベストウエスタン オ トロカデロ(Best Western Hôtel Au Trocadéro)、オテル・エッフェル・トロカデロ(Hôtel Eiffel Trocadéro)、オテル ロンシャン エリゼ(Hôtel Longchamp Elysées)などがあります。