シャイヨー宮（フランス語：Palais de Chaillot）は、フランスの首都パリ中心部 16区トロカデロ地区のシャイヨーの丘の頂上にある建物（宮殿）です。「パリのセーヌ河岸（Paris, Banks of the Seine）」の構成要素の一つとして世界遺産（文化遺産）に登録（1991年）されています。
この建物は、建築家ルイ・イポリット・ボワロー（Louis-Hippolyte Boileau）とジャック・カルリュ（Jacques Carlu）およびレオン・アゼマ（Léon Azéma）によって、古典的でありながら「モダン」スタイルである「新古典主義建築様式」で設計されました。この宮殿は、広い弧を描くように形作られた 2つの独立した翼部で構成されており、これらは、かつてのトロカデロ宮殿の建物で、前面に新しい高い部分が建てられたものです。中央にある 2つの大きなパビリオンも、かつてのトロカデロ宮殿のパビリオンを新しい建物の中に取り込んだものです。旧宮殿の大きな中央ホールと塔は取り壊され、地下室だけが残り、その上に広い広場が作られ、トロカデロ広場からエッフェル塔、さらにその先まで見渡せる眺望が確保されました。このためエッフェル塔を眺めるベストポジションと言われています。
建物はポール・ヴァレリー（Paul Valéry）の引用文で飾られており、屋根裏階にはレイモン・ドラマール、カルロ・サラベゾレス、アルフレッド・ボッティオーによる彫刻群が置かれています。人間の権利のテラスにある8体の金メッキの像は、彫刻家アレクサンドル・デスカトワール、マルセル・ジモン、ジャン・パリ・ディ・プリアス、ポール・コルネ、リュシアン・ブラッスール、ロベール・クチュリエ、ポール・ニクロース、フェリックス・アレクサンドル・デリュエルの作品とされています。
現在、シャイヨー宮の建物にはいくつかの博物館が入っています。南棟（パッシー側）には国立海軍博物館（Musée national de la Marine de Paris）と人類博物館（Musée de l'Homme、先史学と人類学の博物館）があります。建築と文化遺産の都市を象徴する東側（パリ側）にはシテ建築遺産博物館（Cité de l'architecture et du patrimoine、フランス建造物国立博物館）があり、そこから遊歩道の下にあるシャイヨー国立劇場（Chaillot - Théâtre national de la Danse）にも入ることができます。
シャイヨー宮地図（Map of Palais de Chaillot, Paris, Île-de-France, France）
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