コンゴ民主共和国の気候と気温

　コンゴ民主共和国（フランス語：République démocratique du Congo）は、アフリカ大陸中央部のコンゴ川流域に広がる共和国です。アルジェリアに続いてアフリカ大陸で第2位の面積（2,345,410平方キロメートル）があり、世界全体でも11番目に大きな国土となっています。
　気候は、コンゴ川流域の熱帯雨林気候（ケッペン気候区分：Af）や熱帯モンスーン気候から、南部高原の熱帯湿潤乾燥気候（熱帯サバナ気候、ケッペン気候区分：Aw）、標高 2,000メートル（6,600フィート）以上の東部地域の熱帯高原まで様々です。赤道直下の国であるため一般的に、気温と湿度はかなり高くなります。気温が最も高く、変動が少ないのは赤道直下の森林で、日中の最高気温は 30～35℃（86～95°F）で、夜間の最低気温が 20℃（68°F）を下回ることは滅多にありません。年間平均気温は約 25℃（77°F）です。南部高原、特に南東部のカタンガ地方では、冬は涼しく乾燥していますが、夏は暖かく湿気があります。東部高原のアルバート湖からタンガニーカ湖までの湖沼群を囲む地域は、湿潤な気候で、気温の範囲は狭いですが、過度に暖かくはありません。山岳地帯は標高が高いため涼しいですが、湿度は高度とともに飽和点に達するまで増加し、一部の斜面、特にルウェンゾリ山脈ではほぼ絶え間なく霧が降り注いでいます。最南端にある上カタンガ州が温暖冬季少雨気候となっています。首都のキンシャサ（Kinshasa）のある地域はサバナ気候です。
　降雨の季節パターンは、コンゴ民主共和国が赤道にまたがっていることに影響を受けています。赤道の北側に位置する国の 3分の 1では、乾季（およそ 11月初旬から 3月下旬）が南部の 3分の 2の雨季に相当します。ただし、かなりばらつきがあり、赤道の両側の多くの場所では雨季が 2回、乾季が 2回あります。降雨量の平均は、約 1,000～2,000ミリメートル（39～79インチ）です。年間降雨量は、コンゴ川流域の中心部とブカブ西部の高地で最も高く、多少のばらつきはあるものの、これらの地域からの距離に応じて減少する傾向があります。4か月から 5か月の長い乾季と時折起こる干ばつが特徴的な地域は、南東部の一部のみです。

コンゴ民主共和国気候区分地図

コンゴ民主共和国地図

　コンゴ民主共和国はサハラ以南の中央アフリカに位置し、北西はコンゴ共和国、北は中央アフリカ共和国、北東は南スーダン、東はウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、タンガニーカ湖を挟んでタンザニアと国境を接し、南と南東はザンビア、南西はアンゴラ、西は南大西洋とアンゴラの飛び地カビンダ州と接しています。国土は北緯 6度から南緯 14度、東経 12度から東経 32度の間に位置しています。赤道を跨いでおり、北に 3分の 1、南に 3分の 2が広がっています。面積は 2,345,408平方キロメートル（905,567平方マイル）で、面積ではアルジェリアに次いでアフリカで 2番目に大きい国です。
　赤道直下のコンゴ民主共和国は降水量が多く、世界で最も雷雨の頻度が高いです。年間降水量は場所によっては 2,000ミリメートル（80インチ）を超え、この地域にはアマゾン熱帯雨林に次いで世界で 2番目に大きいコンゴ熱帯雨林が広がっています。この広大な緑豊かなジャングルは、西側で大西洋に向かって傾斜する、広大で低地の川の中央流域の大部分を覆っています。この地域は、南部と南西部ではサバンナに変化する高原、西部では山岳台地、北部ではコンゴ川を越えて広がる密生した草原に囲まれています。氷河に覆われたルウェンゾリ山脈は、最東部にあります。
　熱帯気候は、コンゴ川水系を生み出し、それが流れる熱帯雨林とともに地形的にこの地域を支配しています。コンゴ盆地は国土のほぼ全域を占め、面積はおよそ 1,000,000平方キロメートル（390,000平方マイル）に及びます。コンゴ川とその支流はコンゴの経済と交通の基盤を形成しています。主な支流には、カサイ川、サンガ川、ウバンギ川、ルジジ川、アルウィミ川、ルロンガ川などがあります。
　コンゴ川は、世界で 2番目に流量が多く、流域も 2番目に大きい川です（どちらの点でもアマゾン川に次ぐ）。コンゴ川の源流は、東アフリカ大地溝帯の西支流に隣接するアルバーティーン大地溝帯、およびタンガニーカ湖とムウェル湖です。コンゴ川は、ボヨマ滝（Boyoma Falls）のすぐ下にあるキサンガニ（Kisangani）から概ね西に流れ、その後徐々に南西に曲がり、ムバンダカを通り、ウバンギ川と合流してマレボ湖（スタンレー・プール、Pool Malebo (Stanley Pool)）に流れ込みます。キンシャサとコンゴ共和国のブラザヴィル（Brazzaville）は、マレボ湖から流れ出るコンゴ川の両岸にあります。その後、川は狭くなり、リビングストン滝（Livingstone Falls）として総称される深い峡谷のいくつかの滝を流れ落ち、ボーマ（Boma）を過ぎて大西洋に流れ込みます。川とその北岸の 37キロメートル（23マイル）の幅の海岸線は、コンゴ共和国で唯一大西洋に通じる出口となっています。
　アルバーティーン地溝帯は、コンゴ共和国の地理を形成する上で重要な役割を果たしています。国の北東部は山岳地帯であるだけでなく、地殻変動により火山活動が起こり、時には人命が失われます。この地域の地質活動によってアフリカ大湖も形成され、そのうち 4つはコンゴ共和国の東の国境にあります。アルバーティーン湖、キブ湖、エドワード湖、タンガニーカ湖です。
　地溝帯により、コンゴ共和国の南部と東部全域で膨大な量の鉱物資源が露出し、採掘が可能になっています。コバルト、銅、カドミウム、工業用および宝石品質のダイヤモンド、金、銀、亜鉛、マンガン、スズ、ゲルマニウム、ウラン、ラジウム、ボーキサイト、鉄鉱石、石炭はすべて豊富に存在し、特にコンゴの南東部カタンガ地方で多く見られます。2015年の金の生産量は 37トンです。
　2002年1月17日、ニイラゴンゴ山（Mount Nyiragongo）が噴火し、非常に流動性の高い溶岩流が時速64キロメートル（40mph）、幅46メートル（50ヤード）で 3本流れ出ました。3本の流れのうち 1本はゴマ（Goma）を直撃し、45人が死亡、12万人が家を失いました。噴火中、40万人以上が市から避難しました。溶岩はキブ湖に流れ込み、湖の水を汚染し、植物、動物、魚を死滅させました。貯蔵されていたガソリンが爆発する恐れがあったため、地元の空港から出発した飛行機は 2機のみでした。溶岩は空港を通り抜け、滑走路を破壊し、駐機中の飛行機数機を閉じ込めました。この噴火から 6か月後、近くのニャムラギラ山（Mount Nyamuragira）も噴火しました。その後、同山は 2006年に再び噴火し、2010年1月にも再び噴火しました。

キンシャサ月別気温（Temperature & Precipitation of Kinshasa, Democratic Republic of the Congo）：キンシャサの気温グラフ
コンゴ民主共和国の首都であり最大都市（人口 8,900,721人 = 2010年現在）

月別	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
平均最高気温（℃）	31	31	32	32	31	29	27	29	31	31	31	30
平均最低気温（℃）	21	22	22	22	22	19	18	18	20	21	22	21
降水量（mm）	135	145	196	196	159	8	3	3	30	119	222	142
降雨日数（日）	11	11	12	16	12	1	0	1	5	11	16	15

キンシャサの年間平均気温 25.5℃、年間平均最高気温 30.4℃、年間平均最低気温 20.7℃、年間降水量 1358ミリメートル

ルブンバシ月別気温（Temperature & Precipitation of Lubumbashi, Democratic Republic of the Congo）：ルブンバシの気温グラフ
コンゴ民主共和国国内第2の都市（人口 1,630,186人 = 2010年現在）、上カタンガ州の州都

月別	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
平均最高気温（℃）	26.7	26.6	27.1	27.4	26.8	25.4	25.2	27.7	30.7	31.7	28.8	26.8
平均最低気温（℃）	16.8	16.7	16.5	15.3	11.7	8.6	8.3	10.5	13.8	15.9	16.8	16.8
降水量（mm）	251	281	218	53	2	0	0	0	2	30	171	266
降雨日数（日）	23	22	19	7	1	0	0	0	1	5	15	23

ルブンバシの年間平均気温 20.8℃、年間平均最高気温 27.6℃、年間平均最低気温 14.0℃、年間降水量 1274ミリメートル

ムブジマイ：コンゴ民主共和国第3の都市（人口 1,559,073人 = 2010年現在）、カサイ・オリエンタル州（東カサイ州）の州都
カナンガ：コンゴ民主共和国第4の都市（人口 967,007人 = 2010年現在）、ルルア州の州都
キサンガニ：コンゴ民主共和国第5の都市（人口 868,672人 = 2010年現在）、ツォポ州の州都

キンドゥ（マニエマ州の州都）、ゴマ（国内第9の都市、北キヴ州の州都）、コルヴェジ（国内第7の都市、ルアラバ州の州都）、ブカヴ（南キヴ州の州都）、ブニア（イトゥリ州の州都）、ボーマ（コンゴ中央州）、マタディ（コンゴ中央州の州都）、ムバンダカ（赤道州の州都）

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