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アジアハイウェー、一路東へ 1995


 トルコのおはなし。
 
 「夜バスは危ない」とカーペット屋の親父が言ったので、今日からギョレメから昼バスを乗り継いで東部アナトリアを目指す。
 
 ギョレメ→カイセリのバスは満員のため立ちっぱなし。一瞬座れたが、チケットを持った姉ちゃんにどかされ、またもや立つはめに。
 カイセリでエルズルム行きのバスを探したが、夜行バスしかないとのこと。カイセリ→シバスまでのバスに乗る。先程の姉ちゃんも乗ってきた。今度はチケットを持っているので強気の私!姉ちゃんからごま付きパンを貰った。Thank you !
 
 シバス到着(2.5Hの行程)。次はシバス→エルジンジャン。シバス発14:00との事だったがバスは来ない。その間、警察官に囲まれパスポートチェック。最初は何やら笑いながら寄って来て「ジャポネ?」とか言ってくるので冗談かと思っていたが、しっかりパスポートと切符をチェックされました。やはり東部は「ちょっと危ない?」。警官も多いし、兵隊も多い、その上 兵隊さんは使い込んだ自動小銃を持って警戒してるのよ。ちなみにバスから見たシバスの軍事基地には、戦車・装甲車・兵員輸送車がずらり。

 カッパドキア以降、毎日雨その上寒い。バスは14:30に到着。オンボロバスである。ここが始発ではないらしく既に乗客がいる。何やら危なそうな人が多い(錯覚)。バスの中で昼飯を食べて時間潰し、15:30にやっと出発。バスはアナトリア高原をひた走る。どんどん山の中へ。雨が降り続き、やがてみぞれに、ついには雪に・・・。確か今は、5月。山肌には雪渓が残っています。バスはまだまだ登っていきます。オンボロバス君にはかなりきつそうです。がんばれ〜。
 さすが、アジアハイウェー。走っている車は、積載オーバーのトラックとバスたまに乗用車。バスは登りに登ってまわりは一面の銀世界。隣の席の兵隊さんが教えてくれました「ここは標高2090mだよ。」って、納得。そうこうしている間になんと2m以上も雪が積もっている場所を通過後やっと下りになった。
 
 バスは川沿いをずっと走ってます。赤い川が蛇行し、時には幾筋にも別れ、また一本になり、蛇さんのようにクネクネいきます。雪渓の雪どけ水を飲み込み、アナトリアの大地を溶かしながら、川を赤く染め海を求めながら流れていくのですじゃ。バスも川と一緒に山を下っていきます。こんな厳しい自然の中にも、人々の暮らしはあるようです。月日をへて、時代から取り残されたような村々が点在しています。また、山肌には羊の放牧に使っているテント村も見えます。
 
 山を下り、後ろには今来た白銀の山々が見えます。街の入り口には検問所があり、バスに警官が乗り込んでチェックです。エルジンジャンのオトガルには20:00に到着。ドゥーバヤジットへのバスは、深夜0:00との事。それまで、この寒空で何をすればいいの?多少不安。でも安心、トルコ人は日本人好き。早速、バス会社のオフィスに連れ込まれチャイ攻め。23:00頃オフィスを閉めるからと追い出され、チャイハナへ移動。ここでもチャイ攻め。本当に日本人が好きで、おまけにバス待ちが暇なので「私はいいオモチャ」。みんなで「日本人の女性はgood」って言っていました。暇なので、紀行文?(下手作文)を書いて時間潰し。0:00は遥かにすぎて現在0:51。バスはいつ来る?0:00ってnoonでないだろうな・・・。 チャイハナにいる人たちは、トルコ語しか話せないようだし、だだバスが来るのをじっと待つことにしよう。私は夜が弱いです、はぁ、眠い。
 

 0:00をとっくに過ぎ、「待てど暮らせど来ぬバスよ」。眠気のためファンキー気味であります。おまけにタバコの吸い過ぎで吐き気少々。ホント〜に暇です。「地球の歩き方」をオモチャにトルコ人と遊びます。遊び方は写真の所を見せながら適当なことを言い合う、語学のページで下手くそトルコ語で会話の練習をするなど、さすがにバイブルは役立ちます。 バイブルの各都市の写真を見てトルコ人はみんなgoodだと言います。ゼスチャーとしては、5本の指先を合わせて上に向けます。そんなことを言われると全部まわりたくなる私でありました。皆で写真を撮り、写真を送る約束をして(させられ?)更にバスを待つ。暇。
 
 バスは何台か来たが、ドゥーバヤジット行きではなかった。そろそろ夜も明けそう、東の空が白み始めた頃、4:30。新たなバスが入ってきました。AGRIと書いてあるので違うと思い引き返すと、チャイハネの兄ちゃんが「これだョ」と言うのです。もう、どーでも良い状態の私としては、間違いでもいいからと喜び勇んでバスへ。一応乗るときに「DoguBayazit?」と聞いて、「Yes]の答えが帰ってきたので一安心。
 バスターミナルの出入口には兵隊さんが居て、一晩中監視しています。乗車時も厳しいチェックがあるのは当然です。しかし、私は日本人、もちろん顔パス。(チャイハネで兵隊さんと仲良くなっていたのだ)
 
 バスに乗車。なんと満員なのよ。ほぼ徹夜で、通路に立ちっぱなしはきつい。車窓の風景は、山と川のみ。夜に雪が降ったらしく(チャイハネで10度くらいだったもんね)、山の牧草地は薄っすら雪化粧。山の中腹では、牧草の緑が雪の白さに打ち勝ち「まるで青かびの山」。 雪の中ですが、昨日よりさらに東部へきているためか羊の放牧がぐっと増えています。テント村も3、4個所ありました。人家は東へ行くほどみすぼらしく、トルコの西高東低型経済をかいま見た思いでした。約3時間でエルズルムに到着。 乗客の半分程度は降りましたが、新たなチケットを持った乗客が乗ってきます。お金は払っているが、度重なる乗り継ぎのため途中で車掌さんにチケットを回収されチケットなし。座っていてもどかされる可能性大のため「立たされるのでは」とヒヤヒヤ。これ以上は体力的に限界。 結局3人がけの窮屈な体勢ではあるが座ることができた。隣はおじいさん。バイブルで時間潰し。まわりの人は我々を見て楽しんでいました。途中、道の分岐点で戦車2台が道を封鎖して警備していました。怖い、危険な所に来てしまったかしら?

 バスはAGRIで終点。バスを降りて「DoguBayazit!]と叫んでミニバスの所へ連れていかれる。他の乗客はバスのチケットを見せて乗り込んでいるが私はチケットを持っていない。仕方なく「From Erzincan!」と叫ぶと運ちゃんが他の乗客に「こいつバスに乗っていたか?」(多分そう聞いていた)と確認しOK。 隣の席には、若い?素敵なイラン娘。その隣が赤ん坊連れの夫婦。夫の方がなんと日本語(片言)で話しかけてくるではありませんか。彼は日本に住んでいたとの事です。平成5年で失効の運転免許証を見せてくれました。本籍欄は「イラン」と記入されています。なるほど、日本人のはダラダラ本籍地が書いてあるけど、「外人さんのはすっきりしてるのね」と妙なことに関心。 裏面は違反なしで綺麗なものです。「私、電子関係の技術者なのよ」と言うと「イランで働かないかい」と誘われてしまった。 でもイランは怖いからと断ると、トルコの方が怖いと言われる始末でした。ミニバスに揺られること1時間。やっとのことでドゥーバヤジットに到着。アララット山は頂上に雲が掛かって完全には見えませんでしたが、その壮大さは充分想像できました。
 
 空が本当に青い。雲の白さも感動もの。来て良かった。

 

 
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