概要
釜山（プサン、Busan / Pusan）は、韓国最大の港湾都市であり、365万人の人口は首都ソウルに次いで韓国で二番目の規模です。朝鮮半島南東部の端に位置し、朝鮮海峡（対馬海峡西水道）に面しています。市街地は、概ね「洛東江（Nakdong River）」と「水営江（Suyeong River）」に挟まれた地域に形成されています。行政上は、道から独立した中央政府直轄の広域市に指定され「釜山広域市」となっており、釜山広域市は「中区、海雲台区、東莱区、江西区、金井区、南区、東区、北区、西区、釜山鎮区、沙上区、沙下区、水営区、蓮堤区、影島区」の15の区と「機張郡」から構成されています。
釜山では、2002年にアジア競技大会、2005年にはAPEC 2005 Korea が開催されています。また日韓共催の2002 FIFAワールドカップの試合も釜山で行われました。2020夏季オリンピックに立候補しています。
釜山の歴史
紀元2世紀から3世紀にはこの地域は辰韓（朝鮮半島南部にあった三韓の一つ）の居漆山国（Geochilsan-guk）でした。「居漆山」という名前は、荒嶺山（ファンニョンサン、Geochilsan）などの険しい山々が都市の中心部に存在するため名付けられたものと考えられています。現在の釜山市福泉洞にある三韓時代の4世紀から5世紀頃の釜山地域を治めていた首長の古墳から鉄器をはじめとした多くの副葬品が出土しています。後に新羅に吸収され居漆山郡（Geochilsan-gun）となりました。統一新羅時代の757年には「東莱郡」と改称されています。
14世紀までこの地域の中心は金海であり、釜山は小さな漁村に過ぎませんでしたが、李氏朝鮮時代になると対日防衛のために慶尚左道都万戸がおかれ、15世紀始めに日本との貿易拠点となり、浦所倭館（日本人居留地）が設置されました。蔚山と鎮海にも倭館が出来てから日本人の居留者が減りましたが、1592年から始まった豊臣秀吉による朝鮮出兵（文禄・慶長の役）まで倭館として機能し続けていました。江戸時代に入って間もない1607年に日本と朝鮮の外交関係が結ばれ、対馬藩の豆毛浦倭館が設置されました。後の1678年に倭館は草梁に移されましたが、江華島事件の翌年の1876年に日朝修好条約が結ばれるまで倭館は存続していました。この条約により釜山は朝鮮で最初の国際貿易港となりました。
日韓併合後の日本統治時代の釜山は、内地（日本本土）と貿易拠点として発展しました。朝鮮で初めて、蒸気機関を用いた路面電車が釜山で開業しています。朝鮮戦争中は、ソウルなど多くの都市が北朝鮮軍に占領されましたが釜山と大邸だけは占領を免れ、釜山は1950年から1953年まで大韓民国の臨時首都がおかれました。
釜山観光
- 釜山の主な見所
- 釜山タワー
- 龍頭山公園
- 釜山アクアリウム
- BEXCO（ベクスコ）
- 太宗台（Taejongdae）
- 東三洞貝塚（Dongsam-dong Shell Midden）
- 尹公壇（Yungongdan、慶長・文禄の役で戦死した朝鮮人官僚）
- 宋公壇（Songgongdan）
- 左水営城址（Fortress site of Jwasuyeong）
- 金井山城（Geumjeongsanseong）
- 東莱邑城址（Dongnae eupseong site）
- 釜山鎮支城（子城臺、Busan jinjiseong）
- 寺院・廟
- 梵魚寺（Beomeosa Temple）
- 忠烈祠（Chungnyeolsa Shrine）
- 海東龍宮寺（Haedongyonggungsa Temple）
- 釜山の繁華街
- 南浦洞
- 国際市場
- チャガルチ市場
- 西面
- 西面市場
- 東莱温泉
- 釜山大学
- 海雲台
- 博物館・美術館
- 釜山博物館（Busan Museum）
- 福泉博物館（古墳博物館、Bokcheon Museum）
- 釜山近代歴史館（Busan Modern History Museum、旧 東洋拓殖株式会社 釜山支社）
- 東三洞貝塚博物館（Dongsam-dong Shell Midden Museum）
- 臨時首都記念館（Temporary Capital Commemoration Hall）
- 釜山市立現代美術館（Busan Museum of Modern Art）
- 国立釜山大学博物館（Pusan National University Museum）
- 東亜大学校博物館（Dong-A University Museum）
- 慶星大学校博物館（Kyungsung University Museum）
- 東義大学校博物館（Dong-eui University Museum）
- ビーチ
- 海雲台ビーチ（Haeundae Beach）
- 広安里ビーチ（Gwangalli Beach）
- 釜山の主なホテル
釜山の気候
朝鮮半島南東部に位置する釜山は、夏季に高温多湿となる温暖湿潤気候（ケッペン気候区分：Cfa）に属しています。海（朝鮮海峡）に面しているため、極端な高温や低温になることは殆どありません。5月から7月にかけては、海洋効果により韓国内陸部の都市と比較すると気温が若干低くなります。8月から9月にかけて最も暑くなり湿度も上がります。この時期は、日本と同様に台風の影響を受け雨の多い日が続きます。1959年9月15日の巨大台風 サラ（Sarah、日本名：宮古島台風）では、釜山をはじめ韓国南東部に大きな被害が発生しました。近年では、2003年9月12日のメイミー台風（Maemi、日本名：平成15年台風第14号）での被害が大きく、船舶やビルへの損害が多く、48人以上の人命が失われました。一般的に、10月と11月は快晴の日が多く、過ごしやすい湿度の日が続きます。冬は、寒く、大陸からの強い乾いた風が吹きますが、済州島を除いた韓国の他の地域と較べると遥かに温暖な気候です。釜山での降雪量は、韓国では最小の部類に入ります。ただし、普段は雪が降らないため冬場の備えが少ないため、一旦雪が積もると山がちな地形も災いして、簡単に交通マヒに陥り、港湾機能もストップしてしまいます。
釜山の気温と降水量の詳しいデータについては「釜山の気温」を御覧下さい。
交通機関
地下鉄が3路線あります。鉄道は、在来線と韓国高速鉄道（KTX）があります。釜山駅からは、京釜線とKTXの列車が発着しています。他に、釜田駅と亀浦駅および海雲台駅があります。長距離バスは釜山総合高速バスターミナル、慶尚南道の各地へ向かうバスは釜山西部市外バスターミナルからでています。釜山の空港は、釜山中心部から西へ9キロメートルの場所にある金海国際空港です。釜山港・釜山国際旅客船ターミナルからは、日本の博多や下関への国際フェリーがあります。釜山沿岸旅客船ターミナルからは、済州島や韓国南海岸沿いの島々への船便があります。
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