パンテオン(イタリア語:Pantheo、ラテン語:Pantheum、英語:Pantheo、古代ギリシャ語の Πάνθειον(Pantheion)「すべての神々の」に由来しています)は、イタリアの首都ローマ中心部にある 2世紀の古代ローマ神殿であり、西暦 609年以降はイタリアのローマにあるカトリック教会(イタリア語:Basilica Santa Maria ad Martyres または聖マリアと殉教者のバシリカ)です。おそらく最も有名で、建築的に最も影響力のある円形建築です。
パンテオンは、アウグストゥス帝(ラテン語:Augustus、紀元前63年9月23日生~紀元14年8月19日没、共和政ローマの政務官、ユリウス=クラウディウス朝ローマにおける初代元首(皇帝、在位:紀元前27年~紀元14年))の治世にマルクス・ウィプサニウス・アグリッパ(Marcus Vipsanius Agrippa、紀元前63年生~紀元前12年没、古代ローマの軍人・政治家、アウグストゥス帝の腹心)が建設を委託した以前の神殿の跡地に建てられました。元の神殿が焼失した後、現在の建物はハドリアヌス帝(Hadrianus、紀元76年1月24日生~138年7月10日没、第14代ローマ元首(皇帝)、在位:117年~138年)の命により建てられ、おそらく西暦 126年頃に奉納されました。ハドリアヌスは、古い神殿にあったアグリッパのオリジナルの日付の碑文を新しい神殿に再度刻むことを選択したため、確証ある建設の日付は不明です。
建物は円形で、ペディメントの下にある大きな花崗岩のコリント式の柱(最初の列に 8本、後ろに 4本ずつ2組)のあるポーチがあります。長方形の玄関ホールがポーチとロタンダを結んでいます。ロタンダは格天井のコンクリートドームの下にあり、中央の開口部(オクルス)は空に向かって開いています。パンテオンは建設されてからほぼ2000年が経ちましましたが、今でも世界最大の無補強コンクリートドームです。オクルスの高さと内部の円の直径は同じで、43メートル(142フィート)です。
パンテオンは、歴史を通じて継続的に使用されてきたため、古代ローマの建物の中で最も保存状態の良いものの 1つです。7世紀以来、この教会は聖マリアと殉教者(ラテン語:Sancta Maria ad Martyres)に捧げられており、「サンタ・マリア・ロトンダ(Santa Maria Rotonda)」として知られています。パンテオンの前の広場はロトンダ広場(Piazza della Rotonda)と呼ばれています。パンテオンは国有財産であり、イタリア文化遺産・活動・観光省がポロ博物館(Polo Museale del Lazio、ポロ・ムゼアーレ・デル・ラツィオ)を通じて管理しています。2013年には 600万人以上が訪れました。
パンテオンの大きな円形ドーム型のセルラは、従来の神殿の柱廊を前面に備え、ローマ建築ではユニークなものです。しかし、古典様式が復活したときに標準的な模範となり、後世の建築家によって何度も模倣されました。