ウェストミンスター宮殿(英語:Palace of Westminster)は、イギリス・イングランドのロンドン中心部を流れるテムズ川沿い(ウェストミンスター橋西詰)にあるイギリス議会(国会)の会議場です。この建物には、「庶民院(下院)」と「貴族院(上院)」という 2つの立法府が置かれており、一般的には国会議事堂と呼ばれています。宮殿はイギリスの政治の中心地の 1つで、「ウェストミンスター」はイギリス議会とイギリス政府の換喩となり、ウェストミンスター政治制度は宮殿の名前を記念しています。宮殿のエリザベス・タワーは「ビッグ・ベン」の愛称で呼ばれ、ロンドンとイギリス全体のランドマークとなっています。宮殿は 1970年以来イギリス指定建造物 1級(グレード I)となっており、1987年以来「ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター寺院、聖マーガレット教会(Palace of Westminster and Westminster Abbey including Saint Margaret’s Church)」の名称でユネスコ世界遺産(文化遺産)の一部となっています。
この建物はもともと11世紀に王宮として建設され、1512年に火災で王室の居室が焼失するまで、イギリス王の主要な住居でした。君主は隣接するホワイトホール宮殿に移りましたが、宮殿の残りの部分は 13世紀からそこで開かれていたイングランド議会の議事堂として使われ続けました。1834年に 2度目の大火事で宮殿の大部分が焼失しましたが、12世紀のウェストミンスターホールは救われ、新しい建物に組み込まれました。
新しい宮殿の設計コンペは建築家チャールズ・バリーが勝ち、建物にゴシック・リバイバル様式が選ばれました。建設は 1840年に始まり、30年続きましたが、遅延、費用超過、バリーと助手のオーガスタス・ピュージンの死に見舞われました。この新しい宮殿は華麗な装飾で世界的に有名になり、世界中でゴシック・リバイバル建築が広まるきっかけとなりました。宮殿には庶民院、貴族院、君主の部屋があり、床面積は 112,476平方メートル(1,210,680平方フィート)です。第二次世界大戦後、ドイツからの空襲で破壊された庶民院の部屋の再建を含む大規模な修復が必要です。それ以来、さらなる保存作業が行われてきましましたが、宮殿は緊急に大規模な修復を必要としています。