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デュルンシュタイン

　デュルンシュタイン（ドイツ語：Dürnstein）は、オーストリア北東部のニーダーエスターライヒ州のクレムス郡（クレムス＝ラント）にあるドナウ川沿いのかなり小規模な街です。デュルンシュタインの人口は 864人（2018年1月1日時点、2011年1月1日時点では人口 873人）、面積 16.82平方キロメートル（6.49平方マイル）、海抜 209メートル（686フィート）、北緯 48度23分44秒 東経 15度31郡13秒です。世界遺産（文化遺産）に登録されている「ヴァッハウ渓谷の文化的景観」の一部となっている街です。ヴァッハウ地方で最も観光客の多い観光地の一つであり、また有名なワイン産地でもあります。この町は、デュルンシュタイン、オーバーロイベン、ウンターロイベンの 3つのカタストラルゲマインデン（Katastralgemeinden、地籍共同体）で構成されています。
　町の名前は、町を見下ろしていた中世のデュルンシュタイン城に由来しています。城の名前は、ドイツ語の「乾いた」を意味する duerr/dürr と「石」を意味する Stein に由来しています。石造りのこの城は、丘の麓にある湿ったドナウ川よりも高い岩山の上に位置していたため、乾いていると形容されたようです。現代の町は、城と川の間にあります。
　歴史上、デュルンシュタインが初めて記録されるのは 1192年、第3回十字軍における争いの後、イングランド王リチャード1世（1157年9月8日生～1199年4月6日没、プランタジネット朝（アンジュー朝）第2代のイングランド国王（在位：1189年～1199年））がオーストリア公レオポルド5世によって町の上の城に幽閉された時のことです。幽閉の原因は、十字軍遠征の際に、リチャード獅子心王の側近が、アッコの戦いでの戦果を記したレオポルド5世の旗を城壁から投げ落とし、レオポルド有徳公を怒らせたことにあります。レオポルド公はリチャード王がエルサレムで従兄弟のコンラート・ド・モンフェッラートの殺害を命じたのではないかとも疑いました。その結果、教皇ケレスティヌス3世は、十字軍仲間を捕らえたとしてレオポルドを破門しました。公は最終的にリチャード王の身柄を神聖ローマ皇帝ハインリヒ6世に渡し、リチャードはトリフェルス城に幽閉されました。
　デュルンシュタイン城は、1645年にレンナルト・トルステンソン元帥率いるスウェーデン帝国軍によってほぼ完全に破壊されました。
　デュルンシュタイン修道院（Stift Dürnstein）は、1410年にトシェボン出身の修道士によって建立され、1710年からヨーゼフ・ミュンゲナスト、ヤコブ・プラントタウアー、マティアス・シュタインの設計に基づきバロック様式で再建されました。修道院は 1788年にヨーゼフ2世の命令により解散され、ヘルツォーゲンブルク修道院の傘下となりました。この修道院は、川からよく見える青い塔で有名です。
　第三次対仏大同盟戦争中の 1805年11月11日、この付近でデュルンシュタインの戦いが起こりました。
 
デュルンシュタイン イメージ（デュルンシュタイン城跡（Dürnstein Castle））
デュルンシュタイン
 
　デュルンシュタインの観光名所としては、イングランド王リチャード獅子心王が幽閉されていたことで知られる「ケーンリンガー城跡」やデュルンシュタイン中心部のドナウ川沿いにある「聖堂参事会修道院教会」などがあります。
　このデュルンシュタインは、オーストリアの首都ウィーンから北西へ67キロメートル、クレムス・アン・デア・ドナウから西へ6キロメートル、メルクから北東へ23キロメートルの場所に位置しています。
 
オーストリアにおけるデュルンシュタインの位置が判る地図
デュルンシュタイン地図
地図サイズ：560ピクセル X 340ピクセル
 
デュルンシュタインの交通機関と観光名所
 
デュルンシュタイン地図（Map of Dürnstein, Niederösterreich, Austria）
 

 
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