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HISの台湾旅行:4日目


 本日は、ZenTechの目的である台湾新幹線に乗車する日です。
 
台北の近代建築物  朝は、3日目と同様に一人で近代建築巡りをしました。6時半にホテルを出て、台北駅へ向かい近くをうろつきました。まず、私の一番好きな台北の近代建築物である監察院を見て、その北側にある行政院、再び監察院に戻り南側に足を伸ばして立法院、濟南教会と見物しました。ふりだしの台北駅へ戻り、西側にある台北郵局と台湾鉄路局で朝の部は終了しました。台北郵局は、壁面のタイル落下防止のためか金網に覆われていました。台湾鉄路局は、老朽化のため修復工事中で外観が全然見えませんでした。現在、台湾では近代建築がブームになっているので古い建物を壊すことなく修復し再利用しようとしているのは、建物ファンのZenTechにはうれしい限りです。
 
 今を去ること3年前、初めて台湾旅行したときに西部幹線を走る自強号の車窓から新幹線の軌道工事風景を見て「開通したら、もう一度台湾に来よう」と決めたのでした。当初予定では2005年10月末でしたが、一年以上開通が遅れ2007年1月に板橋駅から高雄駅間で暫定開業しました。なお、2007年3月2日に台北駅から高雄駅まで全線開通しました。
台湾新幹線  トラブルが心配だったので、とり合えず一ヶ月ほど様子を見て今回の台湾旅行で長年の夢であった台湾新幹線に乗車することにしました。台湾到着の初日に、台北駅へ行き切符を買おうとしましたが満席でとれず、折角来たのに乗れなかった最悪・・・。ってなことも考えましたが「当たって挫けろ」精神でとり合えず板橋駅まで行きました。台北駅で聞いたときに下り方向は空席があるようだったので、計画としては「板橋駅〜新竹駅」を新幹線、帰りは在来線にすることにしました。旅行前は、高雄に行って「左営蓮池潭の龍虎塔を見物」と同行する両親に言ってあったのですが、新幹線で往復できないので諦めるしかありません。替わりに、父が「茶器を買いたい」と言い出したので新幹線に乗った帰りに焼き物の産地である鶯歌(インクー)へ行くことにしました。
 ホテルからは地下鉄(MRT)で台北駅まで行き、台北駅から板橋駅までは在来線を利用しました。ちなみに板橋駅へは地下鉄でも行くことが出来ます。板橋駅では、高鉄(台湾高速鉄道の略称)の服務台で数種類のパンフレットを貰うことが出来ました。切符は、自動販売機で買いました。初日に台北駅で遊びがてら練習したのですが、最新鋭の販売機であるためか説明係りの女性がおり、全て遣ってくれました。ZenTechの「何でも自分で遣ってみたいという」欲求を見事に奪ってくれました。まぁ、お蔭様で難なく切符を買えたので文句は言えません。板橋駅は新幹線開業にあわせて新しくなったようで、とても巨大で綺麗でした。時間があったので、またまた両親を置き去りにして駅の見物に出かけたのは言うまでもありません。
 20分ほど前には、居てもたっても居られず月台(ホーム)へ向かいました。ホームは地下三階にありました。かなり乗客が多そうです。カメラを構えた人も沢山いました。見るからに鉄チャンって人はいませんでした。よくよく観察すると、人の事はいえませんが日本人観光客の多いことおおいこと。新幹線がホームに入線する直前は、「小心月台間隙」と書かれた黄色いライン(制止線)を超える人が多く(ZenTechもやってしまいました)、駅員さんに笛で注意される人が続出。暫定営業中に事故が起きれば、本営業はおろか運行停止となるのでかなり神経質になっていたようです。
 発車時刻の5分くらい前に、700T型車両がホームに到着しました。先頭部分で記念写真を撮る家族連れが結構いました。日本の700系と違うのはまずカラーリングです。台湾新幹線は、横帯の部分がオレンジ色になっています。オレンジ色は情熱を表す色であり、旅客に情熱と誠意を持ったサービスを提供するという意味があるようです。外形は日本の兄弟ほどは角ばっていません。発車のブザーが鳴り出したので車内へ急行です。両親だけ乗せて発車されては堪りません(ホントはどうでも良いのですが、後で何を言われるか・・・それが怖いだけです)。
 嬉しくて胸が高鳴っていたのはホームまでで、車内へ入ると一気に冷めてしまいました。何故かというと、日本の新幹線と全く同じだったからです(シートの色などは違います)。などと興ざめしてはいけません。まず板橋駅のコンビニで買っておいたジュースを両親に渡す。母「たった30分だから、飲み物なんて要らないのに」、ZenTech「何を言うの、新幹線と言えばビールでしょ、でも今日は時間が無いのでジュース」と言ってゴクゴク飲み干す。さぁ車内探検、自動販売機を見つけてパチリ、電話機の無い公衆電話ボックスをみてパチリと、人が見たら「怪しいおじさんが写真を撮ってる」と思ったことでしょう。そう、ZenTechは怪しさ満点です。車内の写真を撮りおえ満足したら座席に戻り、残り少なくなった時間で車窓風景を楽しみます。なんてね、基本的に台湾西部は人口密集地帯で工場が多く楽しめる景色はありません。特に我々の乗車した板橋から新竹はモロ工業地帯、車窓は工場か田んぼばかりでした。
 新竹駅で下車しました。すぐに改札を出るなどと勿体無いことはせず、高雄へ向かう新幹線を見送りました。ホームの先で身を乗り出して見物していたおばさんが駅員さんから笛で注意されていました。よく見ると母でした、ZenTechといい母といい情け無い親子である。そして、父は手持ち無沙汰で後ろにたっていました。新竹駅は、ガラスで出来たモダンな建物です。ホームは3階にあり見晴らしがとても良いです。新幹線設置に伴い新しく出来た駅のため、駅周辺には何もありません。
 お昼ということで、構内のコンビニでおにぎりを買って待合所のベンチでむしゃむしゃ。年老いた両親には非常に申し訳ありませんでした。コンビニには新幹線グッズが多数販売されていました。
 在来線に乗るために台鉄の新竹駅へ向かうのですが、バスかタクシーしかありません。バスの本数は少ないので、タクシーで行くことにしました。どのくらい離れているかは判りませんでしたが、運ちゃんに聞くと250元程度でした。降車する時にタクシーメーターを見ると10kmほどの距離だったようです。台湾新幹線の情報(クリックすると新しいWindowが開きます)
 
 茶器を買うために新竹から鶯歌(おうか、インクー)へ向かいます。鶯歌はローカル駅なので、新竹駅から桃園駅まで莒光号(急行列車)で行き、桃園駅から鶯歌駅までを鈍行列車で行きます。春節も終わりに近いためUターンラッシュらしく指定券は買えず。それじゃ「自由席」と筆談するが通じないので「立席」と書くとようやく通じました(実は、自由席に相当する言葉は「無座」でした)。列車は30分遅れで来ました。「こんなに遅れて・・・」と母は言いました。「全然普通」と旅なれた?ZenTech。莒光号の中は、「無座」の切符ながら幸い二人分は座席が空いていたので両親は座ることが出来ました、ラッキー。ひょっとして、指定席(有座)の切符を持っている人が居たけど、お年寄りを大事にする国柄だから遠慮してくれたのかもしてません。桃園駅で降りて、上りの電車を待ちます、ここでは20分くらい電車が遅れていました。
 ようやく目的地の鶯歌へ到着。焼き物街らしく、駅には特大急須が展示されていました。陶磁器屋街が駅から西へ15分くらい歩いた場所にあります。店舗数が多く、沢山の観光客で賑わっていました。父の欲しいといっていた茶器を買うため何軒か梯子をして結局買ったのは、父が手に取った瞬間にZenTechが「そんなダサいの・・・」と口走った250元の安物でした。我ながら情け無いぞ、とーちゃん!「鶯歌まで買いに来てそれは無いよね」と母と一緒に陰口を叩く。
 私は故宮博物院で北宋時代の青磁を見て欲しくなったので探しましたが良いのが見つからず、諦めかけていたのですが駅へ向かう途中の店に陳列されているのを見つけて値段交渉したのですが折り合わず買えませんでした(1客300元のものを4客で800元にしてくれと言いました。両親の手前いつもの交渉力を発揮できず・・・、そもそも台湾では店を構えている所はだいたい2割引が限界のようです)。
 
 今日は、実質的に今回の台湾旅行の最終日。最後に上手いものを食べようと台北駅近くの新光摩天大楼の44階にある福華大飯店のレストランに行くことにしました。貧乏旅行者であるZenTechは場所だけ知っているだけで、当然中に入ったことはありません。いくらぐらいかも知らなかったのですが、エレベータの入口にメニューが有ったのでざっと見ているところにエレベーターのドアが開き係りの人が「どうぞ」と仰る、まだメニューを見切っていないが今更後には引けない・・・。44階で降りると高そうな雰囲気の装飾で「予約の**さまですか?」と日本語で聞かれるも、予約自体していないので「ちがいます、予約していないんですが・・・」と小さくなって答える。レストランのおばちゃんが「雲華庭と雲岳閣の二つがありますがどちらにしますか?」って聞いてくる。ZenTechは何故かビビってしまい思わず「安いほう」と答えていました。情けなしZenTech!おばちゃんはジョークのつもりかデカイ声で「はい、安いほう〜」と言って雲岳閣へ案内してくれました。ふ〜「と〜ちゃん・か〜ちゃん、こんな所で恥ずかしい思いをさせてゴメンよ」、母は「なんて失礼な」とブツクサ言ってました。
フカヒレ  てナ事は有りましたが、レストランに入ると窓際の席に案内されて食事をする前にもかかわらず大満足。台北市内がデーンと見渡せるのです。足元には二二八和平公園が広がり、その向こうには総統府や中正紀念堂なども見えました。薄暗くなる時間だったので徐々にライトが灯りだし食事を終える頃には美しい夜景が見渡せました。食事の方は、一番安い8品コース(1000元+サービス料10%)を頼みました。お金はあったのですが、貧乏性なので・・・。料理は期待していなかったのですが、上手かったです。フカヒレも出て来て大満足。特に美味しかったのは蟹のグラタン。まさに旅行最後の夜を飾るのにふさわしい夕食となり大満足。
 
 レストランを出て両親だけをタクシーに乗せホテルへ行くよう運ちゃんに頼んで、私はブラブラ見物。台湾故事館へ行きました。ここは1965年代の台北の街並みを再現した室内型テーマパークです。建物好きな私には戦前の日本の街並みといった印象を受けました。まぁ、解放されて持ち主が変わり使い続けられたわけですから「戦前の日本の街並み=1965年代の台北の街並み」ですね。入場料がこの規模の施設にしては250元と割高なのですが、館内で利用できる250元相等の飲食や買い物ができるクーポン券をくれます。何となく得した気分になり、思わず余計に買い物をしてしまいます、台湾故事館は商売が上手いです。
 台湾故事館を出た後、他の場所へも行きたかったのですが土砂降りとなりホテルへ直行。自分だけ楽しもうとした天罰が下ったようです。
 
本日の歩いた距離:22.55km
 
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