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バーデン=ヴュルテンベルク州地図


 バーデン=ヴュルテンベルク州(ドイツ語:Land Baden-Württemberg、アレマン語:Land Bade-Württebärg(Land Baade-Wiirdebäärg)、英語:Baden-Württemberg State、略称:BW or BaWü)は、ドイツ南西部に位置する内陸の州(連邦州)です。同州は、フランスとの国境の南側を形成するライン川の東側に位置しています。東はバイエルン自由州、北はヘッセン州、西はラインラント=プファルツ州とフランスの旧アルザス地方(現グラン・テスト地域圏)、南はスイスに接しています。総面積は約 35,747.85平方キロメートル(13,802.32平方マイル)、人口は 1,100万人を超え(2020年9発30日現在では人口 11,111,496人、2019年時点の人口 1,107万人)、面積(バイエルン州、ニーダーザクセン州に次ぐ)と人口(ノルトライン=ヴェストファーレン州、バイエルン州に次ぐ)のいずれにおいても、ドイツで 3番目に大きな州となっています。州都シュトゥットガルト(Stuttgart)が同州最大の都市であり、次いでマンハイム(Mannheim)、カールスルーエ(Karlsruhe)が続きます。その他の主要都市には、フライブルク・イム・ブライスガウ(Freiburg im Breisgau)、ハイデルベルク(Heidelberg)、ハイルブロン(Heilbronn)、コンスタンツ(Konstanz)、プフォルツハイム(Pforzheim)、ロイトリンゲン(Reutlingen)、テュービンゲン(Tübingen)、ウルム(Ulm)などがあります。
 現在のバーデン=ヴュルテンベルク州の領域は、歴史的なバーデン、プロイセン領ホーエンツォレルン、およびヴュルテンベルクの各地域を包含しています。同州は、南バーデン、ヴュルテンベルク=バーデン、ヴュルテンベルク=ホーエンツォレルンの各州が合併し、1952年4月に西ドイツの州として成立しました。これらの州は、第二次世界大戦後、連合国が従来の州を分割して占領地域を設けた際に創設されたものです。
 バーデン=ヴュルテンベルク州は、自動車製造、電気工学、機械工学、サービス業など、多岐にわたる産業を擁する強力な経済で特に知られています。地域総生産(GRP)ではドイツの州の中で 3位、研究開発費では 1位を誇り、欧州で最も豊かで革新的な地域の一つと見なされています。「欧州の 4つのエンジン(Four Motors for Europe)」の一角を占め、「ブルー・バナナ(欧州の経済的中心軸)」に位置する同州には、メルセデス・ベンツ・グループ、シュヴァルツ・グループ、ポルシェ、ボッシュ、SAPなど、ドイツを代表する大企業が本社を置いています。「Ländle(レンドレ)」という愛称は、地元のシュヴァーベン語、アレマン語、フランケン語の方言における「Land(ラント/土地・国)」の指小形であり、バーデン=ヴュルテンベルク州の別称として用いられることがあります。
 
 バーデン=ヴュルテンベルク州の下位行政区画としては、フライブルク行政管区とカールスルーエ行政管区とシュトゥットガルト行政管区およびテュービンゲン行政管区の4つの行政官区(Regierungsbezirke、県)があります。地方自治としては、広域自治体の郡(Landkreis, ラントクライス)が 35郡、基礎自治体の市町村(Gemeinde, ゲマインデ)が 302の市 (stadt) と 798の町村(ゲマインデ、Gemeinde)があります。郡独立市は 9都市です。
 
バーデン=ヴュルテンベルク地図(Map of Baden-Württemberg, Germany)
バーデン=ヴュルテンベルク地図
地図サイズ:500ピクセル X 500ピクセル
 
バーデン=ヴュルテンベルク州の主要都市と観光地:
シュトゥットガルト(Stuttgart、バーデン=ヴュルテンベルク州の州都であり最大都市)、 アーレン(Aalen)、 アルプシュタット(Albstadt)、 ヴァイカースハイム(Weikersheim)、 ヴァイブリンゲン(Waiblingen)、 ヴァインハイム(Weinheim)、 ヴァルツフート=ティンゲン(Waldshut-Tiengen)、 ヴィール・アム・カイザーシュトゥール(Wyhl am Kaiserstuhl)、 ウルム(Ulm)、 エーバーバッハ(Eberbach am Neckar)、 エスリンゲン・アム・ネッカー(Esslingen am Neckar)、 オッフェンブルク(Offenburg)、 カールスルーエ(Karlsruhe、州内第2の都市)、 カルフ(Calw)、 ギーンゲン(Giengen an der Brenz、クマの縫ぐるみ「テディベア」の故郷)、 キルヒハイム・ウンター・テック(Kirchheim unter Teck)、 クレクリンゲン(Creglingen)、 ゲッピンゲン(Göppingen)、 コンスタンツ(Konstanz)、 シュヴェービッシュ・グミュント(Schwäbisch Gmünd)、 シュヴェービッシュ・ハル、 ジンゲン(ホーヘントヴィール)(Singen (Hohentwiel))、 ジンデルフィンゲン(Sindelfingen)、 テュービンゲン(Tübingen)、 ドナウエッシンゲン(Donaueschingen、ドナウ川の源泉とされる泉がある街)、 ニュルティンゲン(Nürtingen)、 バーデン=バーデン(Baden-Baden)、 バート・ヴィルトバート(Bad Wildbad)、 バート・ヴィンプフェン(Bad Wimpfen)、 バート・メルゲントハイム(Bad Mergentheim、ドイツ騎士団の本拠地)、 ハイデルベルク(Heidelberg、州内第5の都市)、 ハイデンハイム・アン・デア・ブレンツ(Heidenheim an der Brenz)、 ハイルブロン(Heilbronn)、 ビーティヒハイム=ビシンゲン(Bietigheim-Bissingen)、 フィリンゲン=シュヴェニンゲン(Villingen-Schwenningen)、 フィルダーシュタット(Filderstadt)、 フェルバッハ(Fellbach)、 プフォルツハイム(Pforzheim)、 フライブルク・イム・ブライスガウ(Freiburg im Breisgau、州内第4の都市)、 フリードリヒスハーフェン(Friedrichshafen)、 ブルッフザール(Bruchsal)、 ベーブリンゲン(Böblingen)、 ボーデン湖(Bodensee)、 ボックスベルク(Boxberg)、 マールバッハ(Marbach am Neckar、ドイツの劇作家シラーの生誕地)、 マウルブロン(Maulbronn、世界遺産「マウルブロン修道院」)、 マンハイム(Mannheim、州内第3の都市)、 メーアスブルク(Meersburg)、 メスキルヒ(Meßkirch)、 ラーフェンスブルク(Ravensburg)、 ラール / シュヴァルツヴァルト(Lahr/Schwarzwald)、 ライヒェナウ島(Insel Reichenau)、 ラインフェルデン=エヒターディンゲン(Leinfelden-Echterdingen)、 ラウダ(Lauda)、 ラシュタット(Rastatt)、 リートリンゲン(Riedlingen)、 ルートヴィヒスブルク(Ludwigsburg)、 レーオンベルク(Leonberg)、 レラッハ(Lörrach)、 ロイトリンゲン(Reutlingen)、 ロッテンブルク・アム・ネッカー(Rottenburg am Neckar)
 

バーデン=ヴュルテンベルク州 観光

 バーデン=ヴュルテンベルク州は人気の休暇先であり、訪問者の延べ宿泊数ではバイエルン州に次いでドイツ国内第2位を誇ります。主な見どころとしては、州都であり最大の都市であるシュトゥットガルトが挙げられます。同市は、都市建築や雰囲気において現代性と歴史が共存しており、市内の公園や歴史あるヴィルヘルマ動物園、ゾリテュード城などの城郭、美術館・博物館、演劇やオペラといった豊かな文化プログラム、そして(ローマ時代の軍営地跡でもある)バート・カンシュタットの鉱泉・温泉施設などが有名です。また、同市はドイツの主要都市の中で唯一、市域内にブドウ畑を有しています。
 ルートヴィヒスブルクやカールスルーエといったかつての宮廷都市、温泉とカジノで知られるバーデン=バーデン、ウルム(世界一高い教会塔を持つウルム大聖堂があります)の中世建築、そしてネッカー川を見下ろす城を擁する伝統的な大学都市ハイデルベルクやテュービンゲンなども、人気の小都市です。さらに、ビーベラッハ、エスリンゲン・アム・ネッカー、ハイルブロン、ラーヴェンスブルク、ロイトリンゲン、キュンツェルスー、シュヴェービッシュ・ハル、アーレンといったかつての帝国自由都市や、ドイツ最南端かつ最も日照時間の長い都市フライブルクもこの州に位置しています。フライブルクはアルザスやスイスに近く、黒い森(シュヴァルツヴァルト)の村々や南バーデンのライン渓谷にあるワイン産地を巡る拠点(冬のスキーや夏のハイキングなど)としても利用されています。
 夏のアクティビティの場として特に人気があるのは、上ネッカー渓谷(「ファストナハト」のカーニバルで有名なロットヴァイルがあります)や、手つかずの自然が残るドナウ渓谷とシュヴェービッシュ・アルプ(ホーエンツォレルン城やジグマリンゲン城があります)、シュヴァーベン・の森、上ライン渓谷、そしてボーデン湖です。ボーデン湖畔には、かつての帝国都市であり現在は国境の町であるコンスタンツ(コンスタンツ公会議の開催地)、ウンターウールディンゲンの新石器・青銅器時代の集落跡、花の島マイナウ、ツェッペリン飛行船発祥の地フリードリヒスハーフェンなどがあり、あらゆる種類のウォータースポーツが盛んです。シュトゥットガルトのカンシュタッター・ヴァーゼン(Cannstatter Wasen)では、春(4月・5月)と秋(9月・10月)にビール祭り(移動遊園地を伴う祭り)が開催されます。特に秋の「カンシュタッター・フォルクスフェスト(Cannstatter Volksfest)」は、ミュンヘンのオクトーバーフェストに次ぐ世界で 2番目の規模を誇る祭りです。11月下旬から 12月上旬にかけては、各地の主要な町でクリスマスマーケットが観光客を惹きつけますが、中でもシュトゥットガルトのマーケットは最大級の規模を誇り、クリスマスの前の 3週間にわたって開催されます。
 「ベルタ・ベンツ・メモリアル・ルート(Bertha Benz Memorial Route)」は、マンハイムからハイデルベルク、ヴィースロッホを経由してプフォルツハイムへ至り、再び戻ってくる全長194kmの景色の良い観光ルートです。このルートは、1888年8月にベルタ・ベンツが行った、世界初となる自動車による長距離走行の道のりをたどるものです。
 バーデン=ヴュルテンベルク州には、ルスト(Rust)に「ヨーロッパ・パーク(Europa-Park)」もあります。ここはドイツ最大のテーマパークであり、ヨーロッパ全体でもディズニーランド・パリに次いで 2番目に人気のあるテーマパークです。
 
バーデン=ヴュルテンベルク州地図
バーデン=ヴュルテンベルク州地図
地図サイズ:400ピクセル X 460ピクセル
 
バーデン=ヴュルテンベルク州の独立市(9都市)、人口は2010年時点です。
都市(日本語)都市(ドイツ語)略号人口その他
シュトゥットガルトStuttgartS601,646人州都、最大都市
ウルムUlmUL120,625人
カールスルーエKarlsruheKA285,263人バーデン=ヴュルテンベルク州 第3の都市
ハイデルベルクHeidelbergHD142,993人
ハイルブロンHeilbronnHN121,613人
バーデン=バーデンBaden-BadenBAD54,445人
プフォルツハイムPforzheimPF119,021人
フライブルク・イム・ブライスガウFreiburg im BreisgauFR215,966人
マンハイムMannheimMA307,900人バーデン=ヴュルテンベルク州 第2の都市
 
バーデン=ヴュルテンベルク州の郡と郡庁所在地
郡(日本語)郡(ドイツ語)略号郡庁所在地
アルプ=ドナウ郡Alb-Donau-KreisULウルム
ビーベラッハ郡Landkreis BiberachBCビーベラッハ・アン・デア・リース
ボーデンゼー郡BodenseekreisFNフリードリヒスハーフェン
ベーブリンゲン郡Landkreis BöblingenBBベーブリンゲン
ブライスガウ=ホーホシュヴァルツヴァルト郡Landkreis Breisgau-HochschwarzwaldFRフライブルク・イム・ブライスガウ
カルフ郡Landkreis CalwCWカルフ
エメンディンゲン郡Landkreis EmmendingenEMエメンディンゲン
エンツ郡EnzkreisPFプフォルツハイム
エスリンゲン郡Landkreis EsslingenESエスリンゲン・アム・ネッカー
フロイデンシュタット郡Landkreis FreudenstadtFDSフロイデンシュタット
ゲッピンゲン郡Landkreis GöppingenGPゲッピンゲン
ハイデンハイム郡Landkreis HeidenheimHDHハイデンハイム・アン・デア・ブレンツ
ハイルブロン郡Landkreis HeilbronnHNハイルブロン
ホーエンローエ郡HohenlohekreisKUNキュンツェルスアウ
カールスルーエ郡Landkreis KarlsruheKAカールスルーエ
コンスタンツ郡Landkreis KonstanzKNコンスタンツ
レラッハ郡Landkreis LörrachLÖレラッハ
ルートヴィヒスブルク郡Landkreis LudwigsburgLBルートヴィヒスブルク
マイン=タウバー郡Main-Tauber-KreisTBBタウバービショフスハイム
ネッカー=オーデンヴァルト郡Neckar-Odenwald-KreisMOSモースバッハ
オルテナウ郡OrtenaukreisOGオッフェンブルク
オストアルプ郡OstalbkreisAAアーレン
ラーシュタット郡Landkreis RastattRAラーシュタット
ラーフェンスブルク郡Landkreis RavensburgRVラーフェンスブルク
レムス=ムル郡Rems-Murr-KreisWNヴァイブリンゲン
ロイトリンゲン郡Landkreis ReutlingenRTロイトリンゲン
ライン=ネッカー郡Rhein-Neckar-KreisHDハイデルベルク
ロットヴァイル郡Landkreis RottweilRWロットヴァイル
シュヴェービッシュ・ハル郡Landkreis Schwäbisch HallSHAシュヴェービッシュ・ハル
シュヴァルツヴァルト=バール郡Schwarzwald-Baar-KreisVSフィリンゲン=シュヴェニンゲン
ジグマリンゲン郡Landkreis SigmaringenSIGジグマリンゲン
テュービンゲン郡Landkreis TübingenTÜテュービンゲン
トゥットリンゲン郡Landkreis TuttlingenTUTトゥットリンゲン
ヴァルツフート郡Landkreis WaldshutWTヴァルツフート=ティーンゲン
ツォレルンアルプ郡ZollernalbkreisBLバーリンゲン
 

バーデン=ヴュルテンベルク州 地理と気候

 バーデン=ヴュルテンベルク州は、ドイツ国内ではラインラント=プファルツ州、ヘッセン州、バイエルン州と、国外ではフランス(グラン・テスト地域圏のアルザス地方)およびスイス(バーゼル=ラント、バーゼル=シュタット、アールガウ、チューリッヒ、シャフハウゼン、トゥールガウの各州)と境界を接しています。
 同州の主要都市の多くはネッカー川沿いに位置しています。この川はフィリンゲン=シュヴェニンゲンに源を発し、南西から州中央部、そして北西へと流れ、テュービンゲン、シュトゥットガルト、ハイルブロン、ハイデルベルク、マンハイムといった都市を通過します。
 ライン川は州の西側および南側の大部分で境界線を形成しています。上流ライン渓谷の東側には、同州の主要な山脈であるシュヴァルツヴァルト(黒い森)がそびえ立っています。ネッカー川、シュヴァルツヴァルト、ドナウ川に囲まれたシュヴェービッシェ・アルプ(シュヴァーベン・アルプ)の台地は、ヨーロッパにおける重要な分水界となっています。ボーデン湖(地域によっては「シュヴァーベン海」とも呼ばれる)はスイス、オーストリア、バイエルン州と共有されており、湖面上の国境線は明確に定められていません。アルプス山脈の麓(アルゴイ地方)はバイエルン州やオーストリアのフォアアールベルク州と共有していますが、バーデン=ヴュルテンベルク州自体はオーストリアと陸上で直接接してはいません。
 ドナウ川は一般的に、ドナウエッシンゲンのすぐ東でブリガッハ川とブレーク川という2つの川が合流して形成されるとされています。ドナウエッシンゲンにありドナウ川に注ぐドナウバッハ川の源流は、しばしば「ドナウ川の源流(Donauquelle)」と呼ばれます。水文学的には、合流する2つの川のうち規模の大きいブレーク川の源流(フルトヴァンゲン近郊に位置する)がドナウ川の源流とみなされます。
 この地域の森林には、葉や土壌に被害をもたらすコフキコガネ(*Melolontha hippocastani*)などの一般的な害虫が生息しています。
 バーデン=ヴュルテンベルク州は、バイエルン州と並び、ドイツの最南端に位置する州です。
 州内の気候の気候は、地域によって異なります。これは主に、州内に山地や高地が多いことに起因しています。西部のバーデン地方では、標高 500~800メートル未満の地域の大部分が、ほぼ一年を通じて温暖な西岸海洋性気候(ケッペンの気候区分でCfb)に恵まれています。一方、州東部の気候はより大陸的な性質を帯びています。例えば、ウルム市の冬はベルリンよりも寒くなります。最も温暖な地域では冬に雪が降らないことも多いですが、シュヴァルツヴァルト(黒い森)、シュヴェービッシェ・アルプ、そしてアルプス山脈では、特に標高の高い地域で頻繁に降雪が見られます。この地域では、谷間と比べて夏には雨が多くなりますが、冬は日照に恵まれる傾向があります。
 地形の違いにより、年平均気温は、シュヴァルツヴァルトやアルゴイ地方の局地的な気候条件下にある地域のわずか5℃から、ライン川上流の谷間における13℃までと、大きな幅があります。
 

バーデン=ヴュルテンベルク州 交通機関

 鉄道は、バーデン=ヴュルテンベルク州の交通インフラの主要な部分を占めています。2017年時点で、DB InfraGO(ドイツ鉄道のインフラ管理部門)が管理する標準軌の主要鉄道網は、州内のすべての主要都市を結ぶ総延長約 3,350キロメートルの路線で構成されており、毎日約 6,500本の列車が運行されています。ドイツにおける高速鉄道網の一環として、マンハイム・シュトゥットガルト間およびシュトゥットガルト・ウルム間の高速新線が建設されたほか、既存のマンハイム・カールスルーエ・バーゼル間路線に並行するカールスルーエ・バーゼル間高速新線も現在建設中です。シュトゥットガルト市内およびその周辺では、議論を呼んでいる「シュトゥットガルト21」プロジェクトの一環として、従来の頭端式(ターミナル)駅を地下の通過式駅へと置き換える工事が進められています。
 州内の鉄道インフラは、これらに加え、総延長約 860キロメートルに及ぶ地方支線によって補完されています。これらの支線は、州営のSWEGやホーエンツォレルン地方鉄道(HzL)、カールスルーエ市所有のアルプタール交通会社(AVG)、民間のヴュルテンベルク鉄道(WEG)、およびその他の小規模な鉄道インフラ事業者によって管理・運営されています。
 バーデン=ヴュルテンベルク州における旅客鉄道サービスは、一部、ドイツ鉄道(DB)の様々な子会社によって運営されています。具体的には、高速列車ICEやIC(インターシティ)を運行するDB長距離輸送部門(DB Fernverkehr)や、州内の地域輸送を担うDB地域輸送部門(DB Regio)などが挙げられます。また、フランス国鉄(SNCF)のTGVに加え、スイス連邦鉄道(SBB)やオーストリア連邦鉄道(ÖBB、夜行列車「ナイトジェット」を含む)による国境を越える列車サービスも提供されています。
 1990年代以降、バーデン=ヴュルテンベルク州における約 120の地域鉄道サービスは、州営のバーデン=ヴュルテンベルク地域交通会社(NVBW)によって管理されており、同社はこれらの列車運行業務の民間委託(競争入札)を開始しました。従来のDB Regio、SWEG、HzL、AVG、WEGに加え、Agilis、Bodensee-Oberschwaben-Bahn、Arverio、SBB、Schwäbische Alb-Bahn、VIASといった事業者が新たに市場に参入し、地域鉄道の運行を担っています。1970年代以降、主要都市周辺の地域鉄道網は高頻度運行を行う「Sバーン(S-Bahn)」ネットワークへと転換されてきました。現在、バーデン=ヴュルテンベルク州には、シュトゥットガルトSバーン、ライン・ネッカーSバーン、ブライスガウSバーン、バーゼルSバーンといったシステムが存在します(一部は州域をまたいでいます)。カールスルーエやハイルブロンの都市圏では、カールスルーエ・シュタットバーン(都市鉄道)が、従来のSバーンの要素と、都心部での路面電車(トラム)としての運行を組み合わせた「トラム・トレイン」方式を採用しています。
 歴史的に見ると、バーデン=ヴュルテンベルク州の鉄道網は、まず州の前身となる各国の国鉄によって整備されました。バーデン大公国国鉄は 1840年9月12日にマンハイム~ハイデルベルク間で最初の路線を開業させましましたが、ドイツでは珍しく、初期には 1,600ミリメートル(5フィート3インチ)という広軌を採用していました。一方、ヴュルテンベルク王国国鉄は 1845年10月22日、現在のシュトゥットガルト郊外の 2地点を結ぶ最初の路線を開業させました。1900年には、プロイセン領であった地域(ホーエンツォレルン地方)の鉄道網を拡大するためにホーエンツォレルン地方鉄道(HzL)が設立されました。それ以前、同地域にはヴュルテンベルクの路線が「外国(他国)」の領土を通過する短い区間しか通っていなかったためです。幹線網の建設後、民間や地方自治体の主導により支線やローカル線が建設されましましたが、その一部は現在もAVG、SWEG、RNV、WEGといった鉄道会社の路線として存続しています。1920年、バーデンおよびヴュルテンベルクの国鉄は他の国鉄と統合されドイツ国営鉄道(Deutsche Reichsbahn)となりましましたが、第二次世界大戦後にはドイツ連邦鉄道(Deutsche Bundesbahn)へと引き継がれました。戦後数十年間にわたり、ドイツ連邦鉄道の路線か、あるいは残存していた地方・私鉄路線かを問わず、多くの小規模な鉄道路線が廃止されるか、さもなくば設備の老朽化や旅客サービスの最小限化といった衰退状態に陥りました。しかし1990年代以降、魅力的な車両やダイヤの導入によって利用者を増加させた成功例として、一部の路線が復活・再生しています。その代表例として、AVGに引き継がれたクライヒガウ鉄道や、WEGによって再開業したシェーンブッホ鉄道などが挙げられます。ドイツや世界各地の鉄道を紹介する人気テレビ番組「アイゼンバーン・ロマンティク(Eisenbahn-Romantik)」は、バーデン=ヴュルテンベルク州を拠点とし、同州の公共放送局SWRによって制作されています。
 バーデン=ヴュルテンベルク州の全域は 19の「交通連合(Verkehrsverbünde)」によって網羅されており、これらが地域公共交通の運営・管理を行うとともに、異なるバス・鉄道事業者間での運賃の整合性を確保しています。交通連合をまたぐ移動については、2018年に導入された「bwtarif」により、州内全域で利用可能なシームレスな乗車券が提供されています。
 2023年時点で、フライブルク、ハイデルベルク、ハイルブロン、カールスルーエ、マンハイム、シュトゥットガルト、ウルムの各都市に路面電車やライトレール(LRT)のシステムが整備されています。州外から乗り入れる国際的な路面電車路線もあり、バーゼル市電の 8号線がヴァイル・アム・ラインに、ストラスブール市電のD線がケールにそれぞれ乗り入れています。また、エスリンゲン・アム・ネッカーにはトロリーバスも運行されています。
バーデン=ヴュルテンベルク州には複数の空港があります。最大規模のシュトゥットガルト空港は、同州の主要な国際ハブ空港としての役割を担っています。その他の民間空港としては、カールスルーエ/バーデン=バーデン空港やフリードリヒスハーフェン空港が挙げられます。また、フランス・ドイツ・スイスの国境地帯に位置するユーロエアポート・バーゼル・ミュルーズ・フライブルク空港や、フランクフルト空港、チューリッヒ空港も、同地域からの利用者に頻繁に利用されています。
 
ドイツにおけるバーデン=ヴュルテンベルク州の位置が判る地図
バーデン=ヴュルテンベルク州地図
地図サイズ:360ピクセル X 480ピクセル
 
バーデン=ヴュルテンベルク白地図(Outline map of Baden-Württemberg, Germany)
バーデン=ヴュルテンベルク白地図
 
バーデン=ヴュルテンベルク州地図(Map of Baden-Württemberg state, Germany)、Google Map
 

 
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