シリア：ラッカ - 旅行のとも、ZenTech

ラッカ地図

　ラッカ（アラビア語：الرقة（ar-Raqqah）、英語：Ar-Raqqah）は、シリア北部のラッカ県にある都市で、ラッカ県の県都（県庁所在地）となっている街です。ユーフラテス川沿い（中流域）の北岸に位置しています。ラッカの人口は 300,000人（2019年統計）、シリアでは 6番目に人口の多い街です。面積 35平方キロメートル、海抜 245メートル、北緯 35度57分東経 39度01分です。ラッカの歴史はかなり古く、先史時代からラッカ周辺で人類の居住痕跡が残されています。遺跡としては、紀元前 5,500年～前 4,000年の街の跡「テル・ゼイダン遺丘（Tell Zeidan、ラッカから東へ5㎞）」、と、紀元前 2,000年～紀元前 1,600年の中期青銅器時代の都市（バビロニアの古代都市トゥトゥル（Tuttul））の跡「テル・ビア遺跡（Tell Bi'a、ラッカ市街の東）」などがあります。現在のラッカはヘレニズム時代（アレキサンダー大王の時代）に造られた「ニケポリオン（Nikephorion）」という街が起源とされています。長い歴史の中で支配者が変わり繁栄と破壊を繰り返し、「カリニコス（Kallinikos）」「レオントゥポリス (Leontupolis) 」「アル＝ラフィカ (ar-Rāfiqah) 」「アル・ラッカー」と名前を変えながらも、シリア北部ユーフラテス川沿いの重要都市であることは変わりませんでした。シリア内戦（2011年～）の2013年にはISIL（イスラム国）に占領されこの地域の「首都」と宣言されISILの拠点になりました。シリア政府や外国の有志国（ロシア、アメリカ、フランス、ドイツ、ヨルダンなど）がISILを排除するため激しい空爆や地上作戦を行い、2017年10月にシリア民主軍によってラッカが陥落（解放？）しました。この数年に渡る戦いにより旧市街は甚大な被害（破壊）を受けています。

　ラッカの観光名所としては、ラッカ博物館（Raqqa Museum、フランス委任統治時代の行政庁舎を利用）、ラッカ市壁（Raqqa city walls）、バーブ・バグダード（バグダード門）、カスル・アル・バナート（Qasr al-Banāt、淑女の城）、ウワイス・アル＝カルニ・モスク（Uwais al-Qarni Mosque）、アル・フィルドス・モスク（Al Firdous Mosque）、聖ザアカイ修道院跡（Saint Zacchaeus Monastery、509年頃創建、ラッカ市街の北の丘）、柱の修道院跡（Bīzūnā Monastery）、ラッカ宮殿跡（796年に第5代カリフのハールーン・アッ＝ラシード（763年3月17日生～809年3月24日没、在位 786年～809年）は、アッバース朝第5代カリフ（在位：786年 - 809年））が造営、亡くなるまでの13年間この宮殿を居城としたたためラッカがアッバース朝の都となった）、東宮殿、第5代カリフ時代の勝利記念碑「ヘラクラ (Heraqla、未完成、ラッカ市街から西へ8㎞) 」、ジャーバル城（ジャベル・カレスィ、Jabar Castle、アサド湖（ユーフラテス川に造られたダム湖）湖畔にある7世紀まで遡ることが出来る城塞）などがあります。

　ラッカのホテルとしては、オデッサ・ホテル（Odessa Hotel）、クラウン・インターナショナル・ホテル（Crown International Hotel）、ランドマーク・ホテル・ラッカ（Landmark Hotel Raqqah）、アンダルス・パレス・ホテルなどがあります。

シリアにおけるラッカの位置が判る地図

地図サイズ：460ピクセル X 380ピクセル

　ラッカへの交通アクセスは、シリアの首都ダマスカスからラッカまで車で 6時間（北東へ道なりで 450km）、ホムスから車で 4時間5分（北東へ道なりで 280km）、アレッポから車で 3時間15分（東南東へ道なりで 210km）、マンビジュから車で 2時間35分（南東へ道なりで 135km）です。ラッカからアッ＝サウラまで車で 1時間（西南西へ道なりで 54㎞）、デリゾールまで車で 2時間45分（南東へ道なりで 145km）、ハサカまで車で 3時間35分（北東へ道なりで 210km）です。ラッカからトルコのシャンルウルファまで車で 2時間35分（北へ道なりで 145km）です。

ラッカ地図（Map of Ar-Raqqah, Syria）

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