カンボジア気温

　東南アジアにあるカンボジアの気候は、東南アジアの他の地域と同様に、季節の差がはっきりしているため熱帯湿潤期と乾燥期と呼ばれるモンスーンが支配的です。ケッペンの気候分類システムでは、南部では熱帯性モンスーン気候（ケッペン気候区分：Am）に属しています。内陸である北部ではモンスーンの影響が弱まり、熱帯サバナ気候（ケッペン気候区分：Aw）となります。
　カンボジアの気温は 21～35℃（70～95°F）で、熱帯モンスーンを経験します。インド洋からの南西モンスーンは 5月から 10月にかけてタイ湾とインド洋から湿気を含んだ風を内陸に吹き込みます。ユーラシア大陸（アジア大陸）からの北東モンスーンは 11月から 4月まで続く乾季の到来を告げます。カンボジアでは 9月から 10月にかけて最も降水量が多く、1月から 2月にかけて最も乾燥します。温帯であれば7月がもっと暑くなるのですが、この時期のカンボジアでは大量の雨が降るため気温が低下します。11月から翌年4月までが乾期になります。乾燥した北東季節風によって雨はあまり降りません。1月と2月になると雨はほとんど降らず晴れた天気が続きます。3月から4月にかけては渇水期になるため、乾燥し気温が上昇し最高気温が 40℃になることもあります。カンボジアの首都となっているプノンペンの気温と降水は、年間平均気温 28.4℃、年間平均最高気温 32.9℃、年間平均最低気温 24.0℃、年間降水量 1412ミリメートル、年間降水日数 137日です。
　国際開発研究センターと国連によると、カンボジアはフィリピンと並んで東南アジアで最も気候変動の影響を受けている国と考えられています。カンボジアのほぼすべての州が気候変動の影響を受けています。沿岸部の農村住民は特に危険にさらされています。カンボジア気候変動同盟によると、きれいな水の不足、極端な洪水、土砂崩れ、海面上昇、潜在的に破壊的な嵐が特に懸念されています。気候変動は近年、トンレサップ湖（Tonle Sap）の水位、生態系、生産性にも大きな影響を及ぼしており、カンボジアの人口の大部分の食糧安全保障と農業に影響を及ぼしています。
　カンボジアには 2つの明確な季節があります。5月から 10月までの雨季は気温が 22℃（72°F）まで下がり、一般的に湿度が高いです。乾季は 11月から 4月まで続き、4月頃には気温が 40℃（104°F）まで上がることがあります。2001年と2002年に壊滅的な洪水が発生し、ほぼ毎年何らかの洪水が発生しています。2020年の太平洋台風シーズンには、カンボジアの 17州でも深刻な洪水被害が発生しましました。
　カンボジアへの旅行に最も適した時期は、雨も少ないため湿度が低く、気温も比較的低い11月から1月になります。

カンボジアの気候区分地図
カンボジア気候区分地図

熱帯モンスーン気候とサバナ気候

カンボジア地図

　カンボジアの面積は 181,035平方キロメートル（69,898平方マイル）で、北緯 10度から 15度、東経 102度から 108度の間の完全な熱帯地域に置しています。北と西はタイ、北東はラオス、東と南東はベトナムと国境を接しています。タイ湾沿いの海岸線は 443キロメートル（275マイル）の長さがあります。
　カンボジアの地形は、高地と低山に囲まれた低地の中央平野が特徴で、トンレサップ湖（グレート・レイク）とメコン川デルタの上流域を含んでいます。この中央地域から外側に広がるのは、森林がまばらな、海抜約 650フィート（200メートル）の高さまで上昇する移行平野です。カンボジアの森林被覆は、総陸地面積の約 46％で、2020年の森林面積は 8,068,370ヘクタール（ha）に相当し、1990年の 11,004,790ヘクタール（ha）から減少しています。2020年には、自然再生林が 7,464,400ヘクタール（ha）、植林林が 603,970ヘクタール（ha）を占めましました。自然再生林のうち、4％が原生林（人間の活動の痕跡がはっきりと見られない在来樹種で構成されている）であると報告されています。2015年には、森林面積の 100％が公有地であると報告されましました。
　カンボジア平原の北側は砂岩の断崖に接しており、西から東に 200マイル（320キロメートル）以上伸びる南向きの崖を形成し、平原から 600～1,800フィート（180～550メートル）の高さへと急に上昇しています。この崖はダンレク山脈の南限を示しています。
　カンボジア東部を南に流れるのはメコン川です。メコン川の東側では、移行平原が徐々に東部高原と融合します。東部高原は森林に覆われた山々と高原の地域で、ラオスとベトナムにまで広がっています。カンボジア南西部には、クラヴァン山脈とダムレイ山脈という2つの高地があり、トンレサップ湖とタイ湾の間の陸地の大部分を占めるもう1つの高地を形成しています。南西部内陸のコンポンスプー州は人里離れたほとんど人が住んでいない地域が多く、サ山岳地帯でカンボジアの最高峰である標高 5,949フィート（1,813メートル）のアオラル山（プノン・アオラル、Phnom Aural）があります。
　タイ湾に隣接する南部の沿岸地域は、樹木が密生し、人口がまばらな狭い低地で、南西部の高地によって中央平野から隔てられています。
　最も特徴的な地理的特徴は、トンレサップ湖の氾濫で、乾季には約 2,590平方キロメートル（1,000平方マイル）の広さがあり、雨季には約 24,605平方キロメートル（9,500平方マイル）に広がります。この人口密度の高い平野は水田栽培に使われており、カンボジアの中心地となっています。この地域の多くは生物圏保護区に指定されています。

カンボジア南部の気温　===============
プノンペン月別気温（Temperature & Precipitation of Phnom Penh, Cambodia）：プノンペンの気温グラフ、カンボジアの首都であり最大都市

月別	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
気候	乾季		酷暑期			雨季（モンスーン）					乾季
服装	年間を通してして夏服
過去最高気温（℃）	36.1	38.1	40.0	40.5	40.0	39.2	37.2	37.8	35.5	36.1	34.4	37.2
平均最高気温（℃）	31.6	33.2	34.6	35.3	34.8	33.8	32.9	32.7	32.2	31.4	31.1	30.8
平均気温（℃）	26.6	28.0	29.4	30.2	30.0	29.2	28.7	28.5	28.2	27.2	27.1	26.3
平均最低気温（℃）	21.8	22.8	24.3	25.5	25.6	24.9	24.8	24.6	24.4	24.2	23.2	21.9
過去最低気温（℃）	12.8	15.2	19.0	17.8	20.6	21.2	20.1	20.0	21.1	17.2	16.7	14.4
降雨量（mm）	12.1	6.6	34.8	78.8	118.2	145.0	162.1	182.7	270.9	248.1	120.5	32.1
降雨日数（日）	1.2	1.1	3.4	6.8	15.9	17.0	18.1	18.3	21.5	19.3	10.2	4.5
月間日射量（時間）	260	226	267	240	202	192	143	174	129	202	213	242

プノンペンの年間平均気温 28.4℃、年間平均最高気温 32.9℃、年間平均最低気温 24.0℃、年間降水量 1412ミリメートル、年間降水日数 137日、年間日射時間 2,490時間、1988年～2013年の平均値、ドイツ気象局（Deutscher Wetterdienst）データ

カンポット州：カンポット
シアヌークビル特別市：シアヌークビル

カンボジア北西部の気温　===============
シェムリアップ月別気温（Temperature & Precipitation of Siem Reap, Cambodia）：シェムリアップの気温グラフ
シェムリアップ州の州都。世界遺産「アンコールワット遺跡群」への観光拠点となる街

月別	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
平均最高気温（℃）	32.0	33.3	34.6	35.5	35.2	33.5	32.7	32.0	32.2	31.3	30.6	31.0
平均最低気温（℃）	19.7	20.8	26.1	25.1	25.4	24.8	24.8	25.0	24.5	23.9	22.4	20.3
降水量（mm）	0.7	3.5	28.0	61.2	175.9	221.3	236.6	151.0	276.1	248.0	81.7	10.1
降水日数（日）	0.8	2.0	3.8	8.0	17.2	20.4	21.8	19.2	21.4	21.4	10.4	3.0

バタンバン州：バタンバン（カンボジア第2の都市）

カンボジアその他地域の気温　===============
西部ポーサット州：クロコー、ココン州：ココン
南東部コンポンチャム州：コンポンチャム（カンボジア第3の都市）
南東部トボンクムン州：スオン
北東部ストゥントレン州：ストゥントレン

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