アメリカ合衆国：ワシントン州気温

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ワシントン州気温

　アメリカ合衆国の西海岸北部に位置するワシントン州の気候は、州の西部から東部へと非常に変化に富んだ気候が特徴です。ワシントン州西部の大半は海洋性気候（西海岸海洋性気候）となっており、カスケード山脈（Cascade Range）の東側は亜乾燥気候（ステップ気候）が顕著です。ワシントン州の気候を決定付ける要因として、「北太平洋の高気圧と低気圧が入れ替わり発生する気象現象」と「北アメリカ大陸気団」および「オリンピック山脈（Olympic mountains）とカスケード山脈」があげられます。
　春から夏に掛けては、高気圧が北太平洋で支配的に強まり、大気が時計回りに流れます。このため、北西からの偏西風が北大西洋上空にある比較的冷涼な空気をワシントン州にもたらし、涼しく乾燥した夏となります。秋から冬に掛けては、北太平洋で低気圧の発生が増え大気が反時計回りに回転します。このため偏西風は南西から吹き込み、比較的湿った暖かい空気がワシントン州に流れ込むようになります。このためワシントン州（特に西部）の冬は、湿潤で緯度のわりには暖かな冬となります。
　ワシントン州西部はヨーロッパの沿岸部の都市と同様に気象区分では海洋性気候となっていますが、1881年と1893年および1916年の大雪や1883年～1884年と1915年～1916年および1955年～1956年の寒波のように時として非常に厳しい冬となることがあります。このような寒波の襲来した年は、ワシントン州西部での積雪が6フィート（1.8m）、気温が華氏 0度（-18℃）以下となることがあり、湖や川が凍結し、積雪期間が3ヶ月にも及ぶことがあります。シアトル市での過去最低気温は1950年1月31日に記録された華氏 0度（-18℃）ですが、シアトルから車で3時間程度の標高の低い場所では華氏 -48度（-44℃）を記録したことがあります。
　ワシントン州の年間平均気温の範囲は、太平洋沿岸の華氏 51度（11℃）から北東部の華氏 40度（4℃）です。ワシントン州で過去に観測された気温は、最低気温がウィンスロップ（Winthrop）とマザマ（Mazama）で記録された華氏 -48度（-44℃）、最高気温がアイス・ハーバー・ダム（Ice Harbor Dam）で記録された華氏 118度（48℃）です。最低気温・最高気温ともにカスケード山脈の東側で観測されたものです。ワシントン州西部は、穏やかな気候で知られています。冬は霧が多く雲に覆われる日も多いため霧雨に日が続きます、夏は乾燥した温暖な季節となります。西部地域では、時折極端な気候となることがあり、冬は北極性寒冷前線による寒波、夏の熱波が珍しいことではありません。このため西部地域では極端な気温となることがあり、マリエッタ（Marietta）では最高気温が華氏 112度（42℃）、ロングビュー（Longview）では最低気温が華氏 -20度（-29℃）となったことがあります。

ワシントン州気候区分地図
ワシントン州気候区分地図

ワシントン州地図（Map of Washington State, USA）

　ワシントン州はアメリカ合衆国本土の最北西に位置する州です。東はアイダホ州と接しており、スネーク川とクリアウォーター川の合流点（西経約 117度 2分23秒）から北に走る子午線が境界となっているが、最南端のスネーク川に沿った境界線を除いては、ほとんどが境界となっています。南にはオレゴン州があり、コロンビア川が西部を形成し、46度線がオレゴン州とワシントン州の境界線の東部を形成しています。ワシントン州がオレゴン州から分離した際、当初の境界線の計画ではコロンビア川に沿って東に進み、スネーク川との合流点まで進み、その後はスネーク川に沿って東に進むことになっていましたが、ワラ・ワラ（Walla Walla）の肥沃な農地をワシントン州内に残すために変更されました。
　ワシントン州の西側には太平洋があります。北の境界線は主に 49度線に沿っており、その後はジョージア海峡、ハロ海峡、フアン・デ・フカ海峡を経由する海上境界線を通り、北にはカナダのブリティッシュ・コロンビア州があります。
　ワシントン州は「太平洋岸北西部（パシフィック・ノースウエスト、Pacific Northwest）」として知られる地域の一部です。この用語は常に少なくともワシントン州とオレゴン州を指し、ユーザーの意図に応じて、アイダホ州、モンタナ州西部、カリフォルニア州北部、ブリティッシュ・コロンビア州、アラスカ州の一部またはすべてを含む場合と含まない場合があります。
　カスケード山脈の高い山々が南北に走り、州を二分しています。西ワシントン州と東ワシントン州に加えて、住民は州の 2つの部分を「ウェストサイド」と「イーストサイド」、「ウェット・サイド」と「ドライ・サイド」、または「ティンバーランド」と「ウィートランド」と呼んでいます。後者のペアは、地域固有の企業や機関の名前でよく使用されます。これらの用語は、カスケード山脈の両側の土地の地理、気候、産業を反映しています。

　カスケード山脈から西にかけて、ワシントン州西部は主に地中海性気候で、気温は穏やかで冬、秋、春は雨が多く、夏は比較的乾燥しています。カスケード山脈にはいくつかの火山があり、他の山脈よりもかなり高い標高に達します。北から南にかけて、これらの主要な火山は、ベーカー山、グレイシャーピーク、レーニア山（Mount Rainier）、セントヘレンズ山、アダムス山です。すべて活火山です。
　レーニア山は州で最も高い山で、シアトル市から南に 50マイル（80キロメートル）のところにあり、そこからよく見えます。米国地質調査所は、シアトル大都市圏に近いことから、高さ 14,411フィート（4,392メートル）のレーニア山をカスケード山脈で最も危険な火山と見なしており、10年火山リストによると米国本土で最も危険な火山です。また、この山は、合衆国本土 48州のどの山よりも氷河に覆われています。
　ワシントン州西部には、オリンピック半島の西端にあるオリンピック山脈もあり、針葉樹の密林と温帯雨林の地域となっています。ホー温帯雨林（Hoh Rainforest）などのこれらの深い森は、米国本土で数少ない雨林の 1つです。ワシントン州西部は、年間降水量で測定すると必ずしも降水量が多いわけではありませんが、国内の他のほとんどの場所よりも年間の降雨日数が一貫して多くなっています。

　ワシントン州東部（カスケード山脈の東側）は、西側とは対照的に比較的乾燥した気候です。カスケード山脈の雨陰にある半乾燥ステップ地帯が広く、いくつかの真に乾燥した砂漠もあります。ハンフォード保留地では、年間平均降水量が 6～7インチ（150～180ミリメートル）です。降水量は限られているものの、土壌の生産性が高く、コロンビア川沿いのダムの助けを借りた灌漑がかなり広範囲に行われているため、ワシントン州東部のほとんどの地域で農業が極めて重要な産業となっています。ワシントン州東部の人口分布は、水、特に川へのアクセスによって左右されます。ワシントン州東部の主要都市はすべて川や湖のそばにあり、そのほとんどは隣接する川や湖にちなんだ名前が付けられています。
　さらに東に行くと気候は乾燥しなくなり、東に行くほど年間降水量は増加し、ワシントン州とアイダホ州の州境に近いプルマンでは 21.2インチ（540ミリメートル）となります。オカノガン高原と険しいケトル・リバー山脈、セルカーク山脈が州の北東部の大部分を占めています。ワシントン州パルース南東部はかつて草原でしたが、現在は大部分が農地に転換され、ブルーマウンテンまで耕作地が広がっています。

ワシントン州シアトル月別気温（Temperature & Precipitation of Seattle, State of Washington）：シアトルの気温グラフ、ワシントン州の最大都市

月別	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
過去最高気温（℃）	19	21	26	32	34	37	39	37	37	32	23	19
平均最高気温（℃）	8.4	9.9	12.1	14.7	18.2	21.1	24.3	24.6	21.4	15.4	10.5	7.6
平均最低気温（℃）	2.7	2.7	4.1	5.7	8.5	11.1	13.1	13.3	11.2	7.7	4.4	2
過去最低気温（℃）	-18	-17	-12	-2	-2	3	6	7	2	-2	-14	-14
降水量（mm）	141.5	88.9	94.5	68.8	49.3	39.9	17.8	22.4	38.1	88.4	166.9	135.9
降雪量（cm）	3.6	4.3	2	0	0	0	0	0	0	0	3	4.3
降水日数（日）	18.2	14.7	16.9	14.3	12.0	9.1	5.0	4.8	7.9	13.1	18.4	17.6
降雪日数（日）	1.3	0.9	0.5	0	0	0	0	0	0	0	0.3	1.6
平均相対湿度（％）	78.0	75.2	73.6	71.4	68.9	67.1	65.4	68.2	73.2	78.6	79.8	80.1
月間日射量（時間）	69.8	108.8	178.4	207.3	253.7	268.4	312.0	281.4	221.7	142.6	72.7	52.9
日照率（％）	25	38	48	51	54	56	65	64	59	42	26	20

シアトルの年間平均気温 11.4℃、年間平均最高気温 15.7℃、年間平均最低気温 7.2℃、年間降水量 952ミリメートル、年間降水日数 152日、年間日射時間 2,169.7時間、1981年から2010年まで30年間の平均値、アメリカ海洋大気庁（NOAA = National Oceanic and Atmospheric Administration）データ

ワシントン州主要都市と観光地の気温
シアトル（Seattle、ワシントン州の最大都市）、オリンピア（Olympia、ワシントン州の州都）、
アバディーン、エバレット、オークハーバー、オデッサ、オーバーン、カークランド、ケニウィック、ケント、サマミッシュ、スクイム、スポーケン（ワシントン州第2の都市）、スポーケン・バレー、タコマ（ワシントン州第3の都市）、パスコ、バンクーバー（州内第4の都市）、ブレマートン、ベリンハム、ベルビュー（州内第5の都市）、ボセル、ポートエンジェルス、マウント・バーノン、マウントレーニエ国立公園、ヤキマ、リッチランド、レドモント、レントン、ワラワラ

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