何故か、昔から「陸続きの国境」ってのに憧れていた私。
中学生のときに放送されていたNHK特集”シルクロード”が影響しているのだろうと思われます。
それから1*年後、ヨーロッパ旅行で国境越えのチャンスに恵まれたのです。
ピレネー山脈南端のフランス・スペイン国境の街
Cerbere(仏)とPortbou(西)はクック時刻表(貧乏旅行者必携の書)によると、
なんと2kmの距離ではありませんか。これは、絶好のチャンス。是非、歩いて国境越えせねばとあい成りました。
ちなみに、歩いて県境越えの経験すらありません。
まず、Figueres(スペイン側)からCerbere(フランス側)まで電車で行く。まず電車で国境越えをするあたり、やはりトホホ者です。 国境付近は山が多くトンネルが続く。ひょっとして、国境地帯は山々?(後で後悔)。 「本当に2kmで済むのだろうか」との不安が一瞬ではありますが脳裏をよぎったりもしましたが、海外旅行中の身、イケイケ気分で怖いものなしです。不安を吹き飛ばすごとく、電車はいとも簡単にCerbere(仏)駅に到着。 一駅とは云え、スペインからフランスへ来たのです、周りはフランス語、さすがヨーロッパです。 お金もフランになりました。 私は、スペイン・ペセタしかもっていなかったので多少不安です。両替コーナはあったのですが、クローズ。 ピンチ、何かあったらどうしよう。帰りの汽車賃もないので、「絶体歩いて帰るしかないのね」と呟きながら歩き始める。
さあ、駅を出て歩いて国境越えハイキングの始まりです。
駅にはインフォーメーションなど無く(ローカル駅なのよ)地図を入手できませんでした。困った!幸い駅の柱に街の地図が貼ってあったので大体の道を覚え、心細くも出発進行。
まず、駅を出て右側の道を2〜3分歩き、さらに右へ曲がり線路を越える。この道をわけも判らず歩き下っていくと海へ出ました。
地中海です。4月とはいえ、良く晴れた日だったのですで眩しい〜状態です。アフリカは見えません。
海沿いに道があり、N−116との標識。この道がスペインへのルートらしいです。
この道は入り江沿いをぐるーっと回り込んでいます。テクテク歩いて右手に墓地が出現。外人墓地だ!などとバカなことを考えてしまう私。
振り返ると、正面にCerbereの街、真下は入り江となっており見晴らし良好。
さらに歩くと岬の先端のような所に出ます。灯台があり、目の前は地中海がバーンと広がり気分爽快、ただ風が異様に強い!
アフリカからの風かしら?と呑気に思いつつ、万歩計をチェック。あぁぁ、2kmだ!道路はアスファルトで良いのだが、
この強風はいただけない。道はつづら折りに登っていく。もちろん歩いているのは私だけ。時たま車が通るのですが、皆こちらを怪しげに見ているの。
変人見せ物??人目を気にしつつ登る登る。電車で通ったトンネルの入り口を眼下に納めつつまた登る。
「国境は、お互いが容易に攻め込めない境界線なのね」と今更納得。
灯台から2km歩いて、国境の標識発見。日本じゃ見られないねと思いつつ写真を1枚。EUの星印でした。
もう少し歩くと検問所がありました。ちょっと期待してました。旅人が国境を通過する時のハラハラを期待したのです。
でも、ノーチェックなのでした。スタンプもなし。恐るべし、EU統合。フランス側検問所には警官がいたが、スペイン側は無人でした。
遠くには、Cerbere(仏)駅が見える。直線で1kmぐらい?歩いたのは4km。ふぅ〜。
スペイン側に入った。後は下りだけである。スペイン側には、検問所跡のような所が数カ所。 スペインは、ちょっと前までフランコ独裁だったので厳しかったのかな?と想像しつつ下っていくのでした。 最初の検問所跡の近くから砂利道がPortbou駅方向に伸びているが、道が悪そうだし、風もビュンビュンなので危険回避。 このままアスファルト道を進む。下手に事故を起こすと「邦人遭難、何故あんな所で?」なんて新聞の見出しになっては一生の恥。 国境からの道は、景色も良く、これまた気分爽快(多少疲れ気味&後悔)。
歩くこと更に3km、Portbouの街へ到着。でも、駅への道がわからない。RENFE(スペイン国鉄)と書かれた標識を見つけトンネルを越えて行く。
しかし駅はない。RENFE?の工事現場のような所へ来ただけ。近くにたむろしているガキどもに「エスタシオ(駅)はどこ?」と聞く。道を間違えたことを悟られたらしく笑われたのであった。
あそこだよと上を指さす。確かに線路が上を走っている。う〜ん、馬鹿にしやがって!
そんなこと私にだってわかってる!!行き方を聞いているのだよ。次に子供たちは、「ヒモを投げて登っていけ」との仕草。私ゃ、忍者か。
(そのころNinjyaが流行中)アチョー。もういい、おまえらに聞いた私がバカだった。アディオス。子供が合掌(香港映画の見過ぎ!?)する。
仕方ないので私も合掌し、さようなら。
来た道を戻り右に進む、結局のところ国境からの道を真っすぐ進めば駅の近くに出るのでした。
駅への入り口は、細い階段になっているため見つけにくいので注意。その辺の大人に聞くのが一番。
駅は小さいながらも国境駅。両替・キオスク・バーetcとそろっていました。
結局のところ、8kmのハイキングとなりました。
フィゲラスで半日ダリ美術館を見て、あと半日をハイキング。なかなか充実した1日となりました。
残念だったのは、パスポートにスタンプを貰えなかったこと。
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