中島閘門(なかじまこうもん)は、富岩運河(ふがんうんが)の開削にあわせて設置(昭和9年完成)されました。運河の上流には工場が誘致され、工業用原料を運ぶ船の往来が盛んでした。昭和30年代まで現役でしたが、その後のモータリゼーションで富岩運河とともに使われなくなりました。現在は昭和初期の遺産として、復元保存され土手には桜並木が作られ市民の憩いの場所になっています。
閘門は、運河河口から3.1km上流にあります。約2.5mの水位差を二対の扉で調整するパナマ運河式の閘門です。閘室・扉室は、昭和初期の土木技術を活用した石組み、鉄筋コンクリート造りで地震に強い構造になっています。扉体は、今日では珍しくなったリベット接合(約15000本のリベットを使用)により造られています。
平成10年には、施設が老朽化したため原型復元を基本として64年ぶりの改修工事が行われました。昭和初期の土木建築物としては全国で初めて、平成10年に国の重要文化財(近代化遺産)に指定されました。
中島閘門 | ||
中島閘門(上流側) |
門扉(上流側) |
閘室と下流側門扉 |
門扉(下流側) |
中島こう門操作所 |
操作パネル |