堕天使の噴水(スペイン語:Fuente del Ángel Caído、英語:Fountain of the Fallen Angel or Monument of the Fallen Angel)は、スペインの首都マドリード中心部東部(レティーロ区)のブエン・レティーロ公園にある噴水です。
噴水の頂上にある像は、ローマで 3年目の年金生活を送っていた1877年に、ジョン・ミルトンの失楽園(第1歌)の詩にインスピレーションを得て石膏で制作したリカルド・ベルベルの傑作です。彼は 1877年の国立美術展にこの作品を出品し、一等賞を受賞しました。国がこの作品を購入し、1878年の万国博覧会に出品しました。大理石とブロンズの作品のみが出品対象だった為、この機会に像はブロンズで鋳造され、オリジナルの石膏は破壊されました。
像はスペインに戻り、当時は国立絵画・彫刻美術館(現在はプラド美術館の一部、トリニダード美術館としても知られる)に収蔵されました。美術館長のベニート・ソリアーノ・ムリーリョは、この特異で珍しい作品を人々が自由に鑑賞できるよう、広場への移設を提案しました。像は市役所に引き渡され、市役所はそれを現在の場所に設置しました。この場所は、1813年のフランス侵攻で破壊される前は、中国磁器工場があった場所であり、レティーロ公園内のキューバ通り、ウルグアイ通り、フェルナン・ヌニェス公爵通りの交差点にありました。フェルナン・ヌニェス公爵(おそらくフェルナン・ヌニェス公爵3世の夫、マヌエル・ファルコ・イ・ダダ・イ・バルカルセル)がこの記念碑を後援しました。建築家フランシスコ・ハレーニョが台座の設計を依頼されました。台座は八角形で、両側に魚、トカゲ、ヘビをつかんでいる悪魔の像が描かれ、直径10メートルの噴水の中央に置かれ、花壇に囲まれています。1885年、スペイン王妃マリア・クリスティーナ・オブ・オーストリアによって落成式が行われました。記念碑の高さは 7メートル(像自体は 2.65メートル)で、像にちなんで名付けられたロータリーの中央に位置し、公園の入口の名前もそこから来ています。
この作品は当初は批判を受けましたが、批評家からは主に高く評価され、現在ではスペインの首都の名所となっています。この作品は、その劇的な魅力、表現の緊張感、そして悪魔への賛辞と解釈される可能性をめぐって混乱を引き起こした論争の的となる主題を扱う際の曖昧さで知られています。この作品は、悪魔に捧げられた唯一の著名な彫刻であるという評判があります。しかし、この作品が海抜 666メートルの場所に立っていることは事実です。マドリードのサンフェルナンド王立芸術アカデミー美術館には、ベルベルのこの作品のポリエステル樹脂レプリカがあり、詳細をよりよく鑑賞することができます。
堕天使の噴水 イメージ
マドリード 堕天使の噴水地図(Map of Buen Retiro Park, Retiro district, Madrid, Spain)
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堕天使の噴水への最寄り交通アクセスは、マドリード地下鉄 2線のレティーロ地下鉄駅(Retiro)、1線のアルテ地下鉄駅(Estación del Arte)があります。レティーロ駅からブエン・レティーロ公園北入り口(正面入口)まで徒歩 1分(70メートル)です。バスでは 1/2/9/15/20/51/52/74/146線などのプエルタ・デル・アルカラ バス停(Puerta de Alcalá)です。