エリゼ宮(フランス語:Palais de l'Élysée、英語:Élysée Palace)は、フランスの首都パリ8区マドレーヌ地区にあるフランス共和国大統領の公邸です(厳重な警備で観光は出来ません)。1718年着工、1722年に完成したこの建物は、1719年にイル・ド・フランス総督に任命された貴族で陸軍将校のルイ・アンリ・ド・ラ・トゥール・ドーヴェルニュ(Louis Henri de La Tour d'Auvergne)のために建てられました。8区のフォーブール・サントノレ通り(Rue du Faubourg Saint-Honoré)、シャンゼリゼ通り(Avenue des Champs-Élysées)の近くにあります。シャンゼリゼ通りからマリニー通り(Av. de Marigny)を北へ約250メートルです。エリゼという名前は、ギリシャ神話の祝福された死者の地である「エリシオンの野(Elysium)」に由来しています。
エリゼ宮には、ポンパドゥール夫人(1721年~1764年)、ニコラ・ボージョン(1718年~1786年)、オルレアン・バチルド(1750年~1822年)、ジョアシャン・ミュラ(1767年~1815年)、ベリー公シャルル・フェルディナン(1778年~1820年)などの著名人が住んでいました。1848年12月12日、第二共和政下のフランス議会は、この建物をフランス大統領の公邸と宣言する法律を可決しました。大統領官邸と公邸があるエリゼ宮は、共和国大統領が議長を務めるフランス政府の週次会議である閣僚理事会の会合場所でもあります。通りの向かいには、フランス政府が訪問する高官をもてなす迎賓館として使われていたマリニー館(オテル・ド・マリニー、Hôtel de Marigny)があります。