ノートルダム大聖堂（フランス語：Notre-Dame de Paris）は、正式には「Cathédrale Notre-Dame de Paris、「パリの聖母大聖堂」という意味」 、単に「ノートルダム（Notre-Dame）」とも呼ばれ、 フランスの首都パリ4区ノートル＝ダム地区のシテ島（Île de la Cité、セーヌ川に浮かぶ島）にある中世のローマ・カトリック教会の大聖堂です。聖母マリア（フランス語：Notre Dame、「我らが貴婦人」）に捧げられたこの大聖堂は、フランスのゴシック建築の最も優れた例の 1つと考えられています。リブ・ヴォールト（Rib vault、教会の身廊などの広い空間を覆うための建築技法）とフライング・バットレス（Flying buttress、空中にアーチを架けた飛梁、元々は建築物の外壁を補強するため屋外に張り出すかたちで設置される柱状の部分）の先駆的な使用、巨大で色彩豊かなバラ窓、自然主義と彫刻装飾の豊富さなど、いくつかの特徴が以前のロマネスク様式とは一線を画しています。ノートルダム大聖堂は、3つのパイプオルガン（うち 1つは歴史的なもの）と巨大な教会の鐘でも有名です。「パリのセーヌ河岸（Paris, Banks of the Seine）」の構成要素の一つとして世界遺産（文化遺産）に登録（1991年）されています。
大聖堂の建設は 1163年にモーリス・ド・シュリー司教の指揮下で始まり、その後数世紀にわたって改修されたものの、1260年までにほぼ完成しました。1790年代のフランス革命の間、ノートルダム大聖堂は広範囲にわたる冒涜を受けました。宗教的な意匠の多くは損傷を受けたり破壊されたりしました。19世紀には、この大聖堂でナポレオンの戴冠式やフランス共和国の歴代大統領の葬儀が数多く執り行われました。1831年に出版されたヴィクトル・ユーゴー（Victor Hugo）の小説「ノートルダム・ド・パリ（Notre-Dame de Paris、英題：The Hunchback of Notre-Dame）」が関心を呼び、1844年から 1864年にかけてウジェーヌ・ヴィオレ・ル・デュクの監督のもと修復工事が行われました。1944年8月26日、ノートルダム大聖堂で、ドイツ占領からのパリ解放を祝ってマニフィカトが歌われました。1963年から、大聖堂のファサードの煤や汚れの除去が始まりました。1991年から 2000年にかけて、別の清掃・修復プロジェクトが実施されました。2019年4月の火災により深刻な被害が発生し、大聖堂は大規模で費用のかかる修復のために閉鎖されました。5年間の再建工事を経て、2024年12月に一般公開が再開されました。
このノートルダム大聖堂はパリ市とフランス国家の両方の広く認知されたシンボルです。1805年に「小バシリカ（Minor basilicas）」として名誉ある地位を与えられました。パリ大司教区の大聖堂であるノートルダム大聖堂には、パリ大司教（現在はローラン・ウルリッヒ）の司教座が置かれています。21世紀初頭には、年間約 1,200万人がノートルダム大聖堂を訪れ、パリで最も訪問者が多い建造物となりました。
時が経つにつれ、大聖堂からは徐々に多くの装飾品や芸術作品が剥ぎ取られていきました。しかし、現在でも大聖堂にはゴシック、バロック、19世紀の彫刻、17世紀から 18世紀初頭の祭壇画、そしてキリスト教世界で最も重要な聖遺物（茨の冠、聖十字架の細片と釘など）が今も収蔵されています。
ノートルダム大聖堂地図（Map of Cathédrale Notre-Dame de Paris, Paris, France）
地図サイズ：720ピクセル X 580ピクセル
ノートルダム大聖堂への最寄り交通機関は、パリ・メトロ（地下鉄）4号線 シテ地下鉄駅（Cité）、RER B線/C線 地下鉄4号線 サン＝ミッシェル＝ノートルダム駅（Saint-Michel Notre-Dame）、10号線 クリュニー・ラ・ソルボンヌ地下鉄駅（Cluny La Sorbonne）とモベール＝ミュチュアリテ地下鉄駅（Maubert - Mutualité）、1/11号線 オテル・ド・ヴィル地下鉄駅（パリ市庁舎駅、Hôtel de Ville）、バスでは 21/38/47/96/N12/N13番 シテ＝パレ・ド・ジュスティス バス停（Cité - Palais de Justice）、75番 ケ・オ・フルール＝ポント・サン・ルイ バス停（Quai aux Fleurs-Pont St-Louis）などがあります。
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