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ジョドレルバンク天文台


 イギリスイングランドチェシャー州チェシャー・イーストにあるジョドレルバンク天文台(英語:Jodrell Bank Observatory)は、マンチェスター大学ジョドレルバンク天体物理学センターの一部として、多数の電波望遠鏡を擁しています。この天文台は、第二次世界大戦中のレーダー研究をきっかけに、同大学の電波天文学者バーナード・ラベルによって1945年に宇宙線の調査のために設立されました。以来、この天文台は流星体、クエーサー、パルサー、メーザー、重力レンズの研究において重要な役割を果たし、宇宙時代初期には宇宙探査機の追跡にも深く関わってきました。
 この天文台の主望遠鏡はラベル望遠鏡です。直径 76メートル(250フィート)のこの望遠鏡は、世界で 3番目に大きい可動式電波望遠鏡です。この天文台には他に 3台の稼働中の望遠鏡があります。ジョドレルバンク天文台は、Mark II、直径 42フィート(13メートル)および 7メートルの電波望遠鏡を備えています。ジョドレルバンク天文台は、マンチェスター大学が科学技術施設評議会の委託を受けて運営する国立施設である多素子電波干渉計ネットワーク(MERLIN)の拠点です。
 ジョドレルバンク・ビジターセンターと樹木園はロウアー・ウィジントンにあり、ラヴェル望遠鏡と天文台はグーストリーとホームズ・チャペルの近くにあります。天文台へはA535号線からアクセスできます。クルー・マンチェスター線が天文台の近くを通っており、グーストリー駅もすぐ近くにあります。2019年、この天文台は「ジョドレルバンク天文台」の名称でユネスコ世界遺産に登録されました。
 
ジョドレルバンク天文台 イメージ
ジョドレルバンク天文台
 
 1971年4月19日、デヴォンシャー公爵によって開設されたビジターセンターは、年間約 12万人の来場者を集めました。ジョドレルバンクの歴史を紹介する展示に加え、プラネタリウムと火星旅行を疑似体験できる3Dシアターを備えていました。ビジターセンターの建物にアスベストが使用されていたため、2003年に解体され、奥の部分が残されました。新しい科学センターの建設が計画されていた間、敷地内には大型テントが設置されました。しかし、2004年にマンチェスター・ヴィクトリア大学とUMISTが合併してマンチェスター大学となったことで計画は棚上げされ、暫定センターが残り、年間約 7万人の来場者を迎えました。
 2010年10月、新しいビジターセンターの建設工事が開始され、ジョドレルバンク・ディスカバリーセンターが 2011年4月11日にオープンしました。施設内には、エントランス棟、プラネットパビリオン、展示やイベント用のスペースパビリオン、ラヴェル望遠鏡を眺められるガラス張りのカフェと屋外ダイニングエリア、教育スペース、そして銀河迷路を含む美しい庭園があります。2013年には大型の天体儀が設置されました。また、ジョドレルバンクの歴史に関する展示や、様々な宇宙をテーマにしたショーを披露するスペースドームもあります。
 ビジターセンターは火曜日から日曜日、そして学校の休暇期間と祝日の月曜日に開館しており、公開講座、星空観察会、「天文学者に質問」セッションなど、一般向けのアウトリーチイベントを開催しています。
 ラヴェル望遠鏡の周囲には、望遠鏡の外側のレールから約 20mのところに遊歩道があり、案内板には望遠鏡の仕組みや研究内容が説明されています。
 1972年に設立された35エーカー(14万平方メートル)の樹木園には、イギリス国立コレクションのクラブアップル(Malus)とマウンテンアッシュ(Sorbus)の種、そしてヘザー協会のカルーナ(Calluna)のコレクションが収蔵されています。また、この樹木園には、約 50億分の 1の縮尺の太陽系模型も設置されています。ジョドレルバンクでは、SpacedOutプロジェクトの一環として、イギリスを覆う1500万分の 1縮尺の太陽系模型が設置されています。
 2010年7月7日、この天文台が 2011年度イギリス世界遺産暫定リストへの登録候補地として検討されていることが発表されました。2011年3月22日には、イギリス政府の最終候補リストに掲載されたことが発表されました。2018年1月、ジョドレルバンクはイギリスの世界遺産候補となりました。
 2011年7月、ビジターセンター兼展望台では「Live from Jodrell Bank - Transmission 001」が開催されました。これは、ザ・フレーミング・リップス、ブリティッシュ・シー・パワー、ウェーブ・マシーンズ、OK GO、アリス・ゴールドなどのバンドが出演するロックコンサートです。2012年7月23日、エルボーは展望台でライブを行い、このイベントと施設のドキュメンタリーを撮影しました。このドキュメンタリーは、コンサートのライブCD/DVDとしてリリースされました。2013年7月6日には、「Transmission 4」として、オーストラリアのピンク・フロイド、ホークウインド、ザ・タイム・アンド・スペース・マシン、ザ・ルシッド・ドリームが出演しました。2013年7月7日には、「Transmission 5」として、ニュー・オーダー、ジョニー・マー、ザ・ウィップ、パブリック・サービス・ブロードキャスティング、ジェイク・エヴァンス、ホット・ヴェストリーが出演しました。2013年8月30日、トランスミッション6ではシガー・ロス、ポリサ、ドーターが出演しました。
 2013年8月31日、ジョドレルバンク天文台では、ラヴェルの生誕100周年を記念して、ハレ管弦楽団によるコンサートが開催されました。日中は数々のオペラが演奏されたほか、夜のハレ公演では「スタートレック」、「スター・ウォーズ」、「ドクター・フー」などのテーマ曲が演奏されました。ラヴェル天文台の主望遠鏡は観客の方を向くように回転し、巨大な投影スクリーンとして使用され、様々な惑星のアニメーション効果が映し出されました。休憩時間には、この「スクリーン」でラヴェルの研究とジョドレルバンクの歴史が紹介されました。
 この天文台では、「The Jodcast」という天文学ポッドキャストを配信しています。2011年から 2016年まで、BBCのテレビ番組「Stargazing Live」が天文台の管制室で放送されていました。
 2016年からは、音楽と科学の祭典「Bluedot」を天文台で開催しており、PBS(パブリック・サービス・ブロードキャスティング)やケミカル・ブラザーズなどのミュージシャンが出演するほか、ジム・アル=ハリーリやリチャード・ドーキンスといった科学者や科学コミュニケーターによる講演も行われました。
 
イギリスにおけるジョドレルバンク天文台の場所が判る地図(Map of Jodrell Bank Observatory, United Kingdom)
ジョドレルバンク天文台地図
地図サイズ:360ピクセル X 480ピクセル
 
ジョドレルバンク天文台 地図(Google Map)
 

 
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