イラク：モースル - 旅行のとも、ZenTech

モースル地図

　モースル（モスル、英語：Mosul, Iraq、アラビア語：الموصل （al-Mawsil）、クルド語：مووسڵ （Mûsil）、トルコ語：Musul、シリア語：ܡܘܨܠ （Māwṣil））は、イラク北部のニーナワー県にある都市で、ニーナワー県の県都（県庁所在地）、チグリス川中流域（やや上流）に位置する街です。イラク全体では首都バグダッドに次ぐ国内第二の都市です。チグリス川のほとりに位置するこの都市は、東側にかつて世界最大の都市であった古代メソポタミアのアッシリア帝国後期の都「ニネヴェ（Nineveh）」の遺跡を擁しています。現代ではイラク北部の経済中心地、世界有数の原油産出地域として知られる街です。モースルの人口は 1,683,000人（2021年現在）、ニーナワー県の最大都市、イラクではで 2番目に人口の多い街です。面積 180平方キロメートル（70平方マイル）、海抜 223メートル（732フィート）、北緯 36度20分24秒東経 43度07分48秒です。
　戦略的かつ中心的な位置にあることから、この都市は伝統的にこの地域における国際貿易と交通の中心地の一つとして機能してきました。アラブ世界において、歴史的にも文化的にも重要な都市の一つとされています。北メソポタミア方言のモースルはモースルにちなんで名付けられ、この地域で広く話されています。ニネベ平原と共に、モースルはアッシリアの歴史的中心地です。周辺地域は民族的にも宗教的にも多様で、住民の大部分はアラブ人ですが、クルド人、アッシリア人、トルクメン人、シャバク人、その他の少数民族も含まれています。イスラム教スンニ派が最大の宗教ですが、キリスト教徒やヤジディ教徒も相当数存在し、シーア派やシャバキ派といった他のイスラム教宗派の信者や、かつてユダヤ教徒であった人々も存在します。モースルとその周辺地域は、聖書の歴史において極めて重要な意味を持っています。
　アメリカ合衆国と同士国によるイラク侵攻中、モースルは 2003年4月にアメリカ主導の多国籍軍によって占領されました。戦争中、モースルは攻撃、爆撃、そして宗派間の内戦に見舞われました。2011年にアメリカ軍が撤退した後、イスラム主義者の反乱が始まり、イスラム国（IS）は領土拡大を開始しました。2014年、モースルはISの手に落ち、約 50万人が街から避難しました。キリスト教徒とヤジディ教徒は迫害を受け、アッシリア人の大量脱出が起こりました。街の文化遺産の多くはISによって破壊されました。国際的な介入と米国の支援を受け、イラク軍はモースルの解放に成功しました。2017年7月9日、ハイダル・アル・アバディ首相はIS戦闘員からの解放を公式に宣言しました。現在、モースルは復興のための外国資金の支援を受け、失われた遺産の復興に取り組んでいます。
　都市圏は、西側の旧市街から、地元の人々がチグリス川の両岸を「左岸」（東側）と「右岸」（西側）と呼ぶ広大な地域にまで拡大しました。歴史的に、この地域の主要産品は大理石と石油です。モースル周辺地域は石油埋蔵量が豊富です。モースルには、中東最大級の教育研究拠点の一つであるモースル大学と有名な医科大学があります。また、歴史あるモスク、キリスト教の聖地、シナゴーグ、ヤズィーディー寺院も数多くあります。

モースルイメージ（モースル・グランド・モスク）

　モースルの観光名所としては、モースル博物館（Mosul Museum）、モースル・グランド・モスク（Mosul Grand Mosque）、ムハンマド・アル＝アメーン・モスク（Mohammed Al-Ameen）、アル＝バデー・モスク（Al-Badeeh Mosque）、アルサブバレーン・モスク（Alsabreen Mosque）、殉教者マゼン・モスク（Mosque Martyr Mazen）、スリマン・モスク、バッシュテーブヤ城跡、聖母マリア教会（Our Lady of the Hour Church）、ダイル・マール・エリア教会跡（Dair Mar Elia）、ニネヴェのネガール門（Nergal Gate - Nineveh）などがあります。

　モースルのホテルとしては、ニネヴェパレスホテル、ニネヴェオベロイホテル、カーラマナホテル、モダンパレスホテル、モースルフォールズリゾート、アル＝サデールツーリスコンプレックスモーテル、ホテルバグダッドナイト、ホテルスターズ、ホテルトルコ、ホテルジョトヤール、マリトホテル、ベッラローマホテル、モースルホテル、ニネヴェインターナショナルなどがあります。

イラクにおけるモースルの位置が判る地図（Map of Mosul, Nineveh Governorate, Iraq）

地図サイズ：460ピクセル X 460ピクセル

　モースルへの交通アクセスは、飛行機ではモースル国際空港（Mosul International Airport）があります。
　イラクの首都バグダッドからモースルまで車で 4時間50分（北北西へ道なりで 410km）、ティクリートから車で 2時間50分（北北西へ道なりで 230km）、キルクークから車で 2時間20分（北西へ道なりで 175km）、アルビールから車で 1時間20分（西北西へ道なりで 83km）です。モースルからダフークまで車で 1時間20分（北北西へ道なりで 80km）、ザーホー（イラク・トルコ国境のイラク側の街）まで車で 1時間40分（北北西へ道なりで 120km）です。モースルからトルコのディヤルバクルまで車で 5時間30分（北西へ道なりで 420km）、シリアのハサカまで車で 4時間20分（西へ道なりで 280km）です。

モースル地図（Google Map）

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