アブ・シンベル(アブ・シンベル神殿群、英語:Abu Simbel temples)は、スーダンとの国境に近い上エジプト(エジプト南東部)、アスワン県のアブ・シンベル村(アラビア語:أبو سمبل)
にある、2つの巨大な岩窟神殿からなる史跡(古代エジプトの神殿遺跡)です。アスワンから南西約 230キロメートル(道路で約 300キロメートル)のナセル湖西岸に位置しています。この大神殿と小神殿からなる双子神殿は、紀元前13世紀、第19王朝のファラオ、ラムセス2世の治世中に山腹に彫られました。外側に彫られたラムセス2世の巨大な岩窟レリーフは、その象徴となっています。足元には、妻ネフェルタリと子供たちの小さな像が見られます。大神殿内部の彫刻は、カデシュの戦いにおけるラムセス2世の英雄的な指揮を記念するものです。
1968年、アスワン・ハイ・ダムの貯水池であるナセル湖への水没を避けるため、この複合施設は完全に高台へ移築されました。ヌビア遺跡保存国際キャンペーンの一環として、ワルシャワ大学ポーランド地中海考古学センターのポーランド人考古学者カジミエシュ・ミハウォフスキ氏の監督の下、ドーム状の構造物からなる人工の丘が築かれ、アブ・シンベル神殿が収容されました。
アブ・シンベル神殿群と、フィラエ神殿、アマダ神殿、ワディ・エス・セブア神殿といったヌビア遺跡から移築された他の神殿は、ヌビア遺跡群として知られ、「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群(Nubian Monuments from Abu Simbel to Philae)」の名称でユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録(1979年)されています。
アブ・シンベル神殿 イメージ(アブ・シンベル大神殿)
アブ・シンベル神殿地図(Map of Abu Simbel temples, Abu Simbel, Aswan Governorate, Egypt)
アブ・シンベル神殿の見所と周辺のホテル
アブ・シンベル神殿の見所
アブ・シンベル大神殿 / The Great Temple:古代エジプトの新王国時代・第19王朝の第3代ファラオ・ラムセス2世によって造られた神殿
ラムセス2世の座像(4体)とネフェルトアリ像
小礼拝堂
大列柱室:「カデシュの戦いのレリーフ」「講和条約のヒエログリフ」があります。
前室「ネフェルトアリのレリーフ」があります。
至聖所
アブ・シンベル小神殿 / The Small Temple:ラムセス2世が王妃ネフェルトアリのために造らせた神殿