ベトナム旅行：ホーチミン・シティ

ホーチミン・シティ

概要
　ホーチミン・シティ（英語：Ho Chi Minh City、ベトナム語: Thành phố Hồ Chí Minh、中国語：胡志明市）は、ベトナム経済の中心都市でありベトナムの最大都市（人口 8,426,100人 = 2016年現在）です。ベトナム北部にあるハノイが首都として政治・文化の中心であるのに対して、ここホーチミン・シティはベトナム経済の中心地です。旧名（ベトナム統一により現名称へ変更）を「サイゴン（Saigon）」と言い、古くからベトナムはもとより東南アジアを代表する大都市として世界的に知られた、フランス植民地時代の影響が残る街並みは「東洋のパリ」とも形容されてきました。

ホーチミン・シティの歴史
　16世紀頃の現在のホーチミン・シティの辺りは「プレイノコール（Prey Nokor、クメール語で「森の中の街」という意味）」と呼ばれるクメール人が住む小さな漁村でした。他のメコンデルタの地域と同じようにクメール王朝の勢力圏でした。16世紀後半から17世紀以降になり、クメールの力が衰えベトナムからの移民が増えメコンデルタではベトナム化が進み、プレイノコールと呼ばれた街はいつの頃からか「サイゴン」呼ばれるようになりました。　1698年にベトナム支配体制の確立を目指すフエの阮氏からベトナム人貴族「グエン・フー・カイン（阮有鏡）」が送り込まれ、この一帯の統治機構が確立され、サイゴンの街が大きくなりました。1790年には巨大なヴォーバン式星形要塞ザーディン城（Thành Gia Định）も築城されました。
　サイゴンは、1859年にフランスによって占領され、1862年のサイゴン条約で、阮朝はフランスによるコーチシナ（ベトナム南部、メコンデルタ流域）東部の支配を認めました。この時にサイゴンは開港し、1887年に成立したフランス領インドシナのもとでサイゴンは都市として急速に発展しました。第二2世界大戦中は実質的に日本の統治下に入り、戦後再びフランスの手に戻りましたが、1954年にフランスがディエンビエンフーの戦いで北ベトナムにで敗れ、ベトナムから撤退し、サイゴンはベトナム人の手に戻り、南ベトナム（ベトナム共和国）の首都となりました。ベトナムは南北に分断され、ベトナム戦争となり、1975年4月30日に「サイゴン陥落（サイゴン解放）」しました。その後、ベトナム統一により南ベトナムは社会主義化され、経済の停滞が起こり、多くの華僑が難民となりベトナムを脱出しました。
　1976年に統一国家としてのベトナム社会主義共和国が成立し、サイゴンの街はザーディン省及び近隣2州の郊外2地区が統合され、共産党指導者ホー・チ・ミンの名を冠した「ホーチミン市」が作られました。社会主義化から1980年代中頃までは経済的に停滞しましたが、1986年のドイモイ政策（市場メカニズムの導入と対外開放）により、流出した華人たちが帰国するようになり、経済的発展も進んできました。

ホーチミン・シティ観光

	ホーチミン・シティの主な観光名所
	1. 統一会堂（旧南ベトナム大統領官邸） / Dinh Thong Nhat：地図、フランス領インドシナ時代の1868年～1873年に「ノロドン宮殿」として建てられた建築物
	2. ホーチミン人民委員会庁舎（ホーチミン市庁舎） / Ho Chi Minh City Hall：1902年～1908年に造られたフランス・コロニアル様式の建築物
	3. 戦争証跡博物館 / War Crimes Museum：ベトナム戦争時に使用されたアメリカ軍の兵器などを展示
	4. サイゴン大教会（サイゴン大聖堂、ノートルダム大聖堂、聖母マリア教会） / Nha tho Duc Ba (Saigon Notre-Dame Basilica)：地図、ホーチミンシティ 1区にあるカトリックの大司教座大聖堂、サイゴンがフランスの植民地だった1863年に起工し1880年に完成した大聖堂
	5. サイゴン中央郵便局 / Buu dien Thanh Pho Ho Chi Minh：フランス植民地時代の建築物（1891年完成）
	6. ドンコイ通り / Đường Đồng Khởi：「サイゴンのシャンゼリゼ通り」ともいわれフランス植民地時代の歴史的建造物が多く残されています。高級ホテルや高級ブランドショップやレストラン・カフェが立ち並ぶホーチミン・シティ屈指の繁華街
	7. ホーチミン市博物館 / Ho Chi Minh city Museum
	8. ホーチミン市民劇場：1897年に建築されたフレンチ・コロニアル様式の劇場
	9. ベンタイン市場 / Cho Ben Tanh
	10. サイゴン動植物園 / Thảo Cầm Viên Sài Gòn：園内には歴史博物館（Vien Bao Tang Lich Su'）とフンブーン廟（Đền Thờ Vua Hùng (Hung Kings' Temple)）もあります。
	11. チョロン地区 / Cholon：地図、ベトナム最大の中華街 (チャイナタウン）、天后宮やギアアンホイクアン寺（義安会館）やオンボン寺（二府会館）などがあります。ホーチミン・シティの5区から6区のエリアです。
	12. チャータム教会 / Nhà thờ Cha Tam
	13. ティエンハウ廟（天后宮） / Thien Hau Pagoda
	14. アンクアン寺（印光寺） / An Quang Pagoda
	15. ビンタイ市場
	ホーチミン・シティの主要ホテル
	16. ソフィテル・サイゴン・プラザ / Sofitel Saigon Plaza：5つ星ホテル
	17. ホテル・プルマン・サイゴン・センター / Hotel Pullman Saigon Centre：5つ星ホテル
	18. ホテル・マジェスティック / Hotel Majestic：5つ星ホテル、フランス植民地時代の1925年に近代的ヨーロッパ風ホテルとして開業
	19. パーク・ハイアット・サイゴン / Park Hyatt Saigon：5つ星ホテル
	20. ホテル・ニッコー・サイゴン / Hotel Nikko Saigon：5つ星ホテル
	21. ロッテ・レジェンド・ホテル・ホーチミンシティ / Lotte Legend Hotel Saigon：5つ星ホテル
	22. カラベル・サイゴン / Caravelle Saigon ：5つ星ホテル
	23. ルネッサンス・リバーサイド・ホテル・サイゴン / Renaissance Riverside Hotel Saigon：5つ星ホテル
	24. シェラトン・サイゴン・ホテル＆タワー / Sheraton Saigon Hotel & Towers：5つ星ホテル
	25. ウインザー・プラザ・ホテル / Windsor Plaza Hotel：5つ星ホテル
	26. レックス・ホテル・サイゴン / Rex Hotel Saigon：5つ星ホテル
	27. ホテル・コンチネンタル・サイゴン / Hotel Continental Saigon：4つ星ホテル、1880年開業の老舗高級ホテル

ホーチミン・シティの気候
　ベトナム南部に位置するホーチミン・シティの気候は、年間を通して高温であり、季節風の影響で雨季（5月～11月）に多く雨が降る熱帯モンスーン気候（ケッペン気候区分 Am）です。旅行シーズンとしては、気温が比較的低くなり（それでも最高気温は30℃越え）乾季に入った12月と1月がおすすめです。2月から4月は乾季ではありますが、気温が上昇する酷暑期になるので（特に4月）旅行には厳しいかもしれません。ホーチミン・シティの気温と降水量の詳しいデータについては「ホーチミン・シティの気温」を御覧下さい。

ホーチミン・シティの交通機関
　ホーチミン・シティの最寄りの空港は、ベトナム南部の空の玄関口となっているタンソンニャット国際空港です。ハノイ・ダナン・フエを始めとしたベトナムの主要都市への国内線、国際線は東南アジアと東アジアを中心として他にヨーロッパ・中近東・オーストラリアへの航空便もあります。日本へは東京への路線があり、成田空港からホーチミン・シティのタンソンニャット国際空港まで直行便で6時間35分です。空港はホーチミン・シティ中心部（サイゴン大教会）から北西へ6.5㎞の場所にあり、車で約20分です。空港からホーチミン・シティ市街までの交通手段は、タクシーと路線バスです。高速道路や鉄道はありません（なお計画ではホーチミン市都市鉄道が2020年完成）。なお、タンソンニャット国際空港は市街地に近く今後の拡張が難しいため、2025年開港を目標として別の場所に「ロンタイン国際空港」の建設が計画されています。
　ホーチミン・シティ市内での公共交通機関は路線バスだけです。バスは路線網が充実しており、エアコン・バスも多いので使いこなせれば便利です。市民の足となっているのはホンダのスーパーカブに代表される「バイク」です。観光客が利用しやすいのは、やはりタクシーです。ほとんどはメーター・タクシーです。バイクの後部に客を乗せるバイクタクシー「セオム」や自転車タクシー「シクロ」などもありますが、慣れない観光客が乗るとちょっと危ないです。
　鉄道は、サイゴン駅があり、ベトナム北部のハノイへと向かう統一鉄道（南北線、1726km）が発着しています。

ページ先頭（ベトナム旅行：ホーチミン・シティ）へもどる。