レソトの気候と気温

　アフリカ大陸南部、南アフリカ共和国に囲まれているレソトは、標高が高いため、同緯度の他のほとんどの地域よりも年間を通じて涼しいです。レソトの気候は温帯で、夏は暑く、冬は寒いです。湿潤な亜熱帯性気候で、ケッペンの気候分類システムでは、南西部は海洋の影響で温暖な西岸海洋性気候（ケッペン気候区分：Cfb）、それ以外の地域では温暖冬季少雨気候（ケッペン気候区分：Cwb）となっています。首都マセルとその周辺の低地は、夏には気温が 30℃（86°F）に達することが多いです。冬は寒くなり、低地では -7℃（19.4°F）、高地では -20℃（-4.0°F）まで下がることもあります。
　年間降水量は、低地の谷間で約 600ミリメートル（23.6インチ）から、南アフリカ共和国に隣接する北部および東部の断崖地域で約 1,200ミリメートル（47.2インチ）まで変化します。雨のほとんどは夏の雷雨として降り、年間降水量の 85％は 10月から 4月の間に降ります。5月から 9月の冬は通常非常に乾燥しています。5月から 9月の間、砂漠や低い谷では雪が降るのが一般的です。高山では一年中時折かなりの降雪があります。降雨量の年間変動は非常に不規則で、乾季（5月から 9月）には周期的な干ばつ、雨季（10月から 4月）には深刻な洪水が発生します。レソトの首都マセルの気温と降水は、年間平均気温 15.8℃、年間平均最高気温 23.4℃、年間平均最低気温 8.2℃、年間降雨量 642ミリメートル、年間降雨日数 77日です。

レソト気候区分地図

レソト地図

　レソトの面積は 30,355平方キロメートル（11,720平方マイル）です。レソトは世界で唯一、標高 1,000メートル（3,281フィート）を超える高地にある独立国です。レソトの最低地点は 1,400メートル（4,593フィート）で、これは世界で最も高い最低地点です。国土の 80％以上が 1,800メートル（5,906フィート）を超えています。レソトは世界で最南端の内陸国です。レソトは、完全に他国（一つの国）の領土に囲まれた世界の 3つの独立国の中で最大の国で、他の 2つはバチカン市国とサンマリノです。レソトは、イタリア半島とヨーロッパ以外で唯一の国であり、また、小国ではない唯一の国でもあります。
　レソトの緯度は南緯 28度から 31度、東経は 27度から 30度の間です。レソトの約 12％は土壌浸食の影響を受けやすい耕作地であり、浸食により毎年4,000万トンの土壌が失われていると推定されています。

マセル県マセル・シティ月別気温（Temperature & Precipitation of Maseru City, Maseru District, Lesotho）：マセルの気温グラフ、レソト王国の首都であり最大都市、人口 330,760人（2016年統計）

月別	1月	2月	3月	4月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月
平均最高気温（℃）	28.7	27.6	25.7	22.9	19.7	16.7	16.9	19.7	23.3	24.8	26.3	27.9
平均最低気温（℃）	14.8	14.6	12.5	8.6	3.7	0.2	-0.5	2.4	6.9	10.1	11.9	13.4
降雨量（mm）	121.7	92.1	86.2	46.9	26.1	12.1	5.7	18.2	16.1	62.2	73.2	81.0
降雨日数（日）	12	10	10	7	4	2	1	2	3	8	8	10

マセルの年間平均気温 15.8℃、年間平均最高気温 23.4℃、年間平均最低気温 8.2℃、年間降雨量 642ミリメートル、年間降雨日数 77日、1981年から2010年まで30年間の平均値、世界気象機関（WMO = World Meteorological Organization）データ、観測地点はメジャメタラナ飛行場（Mejametala Airport、軍用飛行場）

レソトの主要都市と観光地の気温：マセル（Maseru、レソト王国の首都であり最大都市）、テヤテヤネング（Teyateyaneng、レソト第2の都市）、フロツェ（Hlotse）、マフェテング（Mafeteng、レソト第3の都市）、モハレス・フーク（Mohale's Hoek）、レツェング・ラ・テラエ（Letšeng-la-Terae、レツェング・ダイヤモンド鉱山）

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